こんにちは。用件はタイトルのとおりです。
※画像は、www.mapion.co.jp より
アメリカの辞書
手持ちの電子辞書で用が足りないとき、僕はオンラインの英英辞典を使います。
よく参照するのは、American Heritage Dicitionary of the English Language です。以前は独立したサイトだった記憶がありますが、いまはYahoo! Education のコンテンツになっています。
このオンライン辞書を以降「American Heritage」、または単に「アメリカの辞書」と表記します。
本記事における「アメリカの辞書」とは、オンラインのAmerican Heritage のことです。
アメリカの辞書に載っていたFunabashi
どういうきっかけで見つけたかは記憶にないのですが、この辞書にFunabashi(船橋)が載っていました。ふなっしー効果でしょうか(違う)。
アメリカの辞書で「埼玉 VS 千葉」を企画
そこで、以前に「月曜から夜ふかし」(日本テレビ)でやっていた「埼玉 VS 千葉」関東3位争い問題(2013/01/05 放送)を、この辞書でやることにしました。
調査方法
American Heritage で埼玉・千葉両県の市の名称を検索し、項目として存在するかを探ります。
調査対象について
市の情報については、
- 埼玉県>埼玉県推計人口 から
- 千葉県>各市町村の住民基本台帳人口 から
取りました。(平成25年3月末現在)
市に関するデータ
市の数
両県の市の数は次のとおりです。
- 埼玉県:40
- 千葉県:37
都道府県 市町村数ランキングによると、市の数はそれぞれ、全国第1位、第3位です。
最新の市(2013年現在)
現時点における両県の最新の市と市制施行年月日は、それぞれ
です。
いずれも比較項目でないので、勝敗とは無関係、ノーコンテストです。
調査結果:●埼玉 4 ○千葉 6
調査結果です。
アメリカの辞書に載っていた市の数は、
- 埼玉:4
- 千葉:6
4対6 で千葉の勝利です。
以下、調査結果の詳細と分析です。以後のリンクは別途断りのない限り、すべてAmerican Heritage へのものです。
埼玉県
次の4市が掲載されていました。
- Kawaguchi(川口市)
- Kawagoe(川越市)
- Tokorozawa(所沢市)
- Koshigaya(越谷市)
千葉県
次の6市が掲載されていました。
データ:アメリカの辞書での説明
掲載の各市については、こんな説明のしかたでした。引用して紹介します。人口に関する記述は省略しています。
「おっ」と目を惹いたところに下線を引いておきます。分析はのちほど。
埼玉県
川口市
A city of east-central Honshu, Japan, an industrial suburb of Tokyo.
川越市
A city of east-central Honshu, Japan, northwest of Tokyo. Its manufactures include silk textiles.
所沢市
A city of central Honshu, Japan, a commercial suburb of Tokyo.
越谷市
A city of east-central Honshu, Japan, a mainly residential suburb of Tokyo.
千葉県
千葉市
A city of east-central Honshu, Japan, on the northeast shore of Tokyo Bay. It is a manufacturing center.
船橋市
A city of east-central Honshu, Japan, a suburb of Tokyo on Tokyo Bay.
松戸市
A city of east-central Honshu, Japan, a suburb of Tokyo.
市川市・柏市
両市の説明は、人口を除き同じでした。
A city of east-central Honshu, Japan, an industrial suburb of Tokyo.
市原市
A city of east-central Honshu, Japan, on Tokyo Bay opposite Tokyo. It is an industrial center.
分析と考察
結果について分析と考察を加えます。
掲載基準の推定
掲載されていたのは、ひとつの例外を除き(後述)、県内の人口上位の市でした。
掲載された市のなかでもっとも人口が少ないのは、埼玉は越谷市の33万人、千葉は市原市の28万人ですから、だいたい30万人が掲載ラインになっているみたいです。
意外と芸が細かい:埼玉編
アメリカの辞書での説明は、意外と芸が細かいです。
埼玉の4市の記述を比べてみますと、まずsuburb(郊外)の使い分けが細かいです。
同じsuburb でも、
- 川口は、industrial
- 所沢は、commercial
- 越谷は、mainly residential
なんです。うまいこと言うなあという印象がします。
そして川越だけは「suburb of Tokyo」という語句が使われていません。川越は東京の suburb ではないという認識なのですね。
意外と芸が細かい:千葉編
千葉の6市で目を惹かれるのは、位置関係を示す記述です。
湾岸地域にある千葉、船橋、市原の3市については「Tokyo Bay」を使っています。
なかでも、千葉市を「northeast shore of Tokyo Bay」、市原市を「on Tokyo Bay opposite Tokyo」とする所在位置の表現は、大変うまいなあと感心します。
敗因分析:最大の失策は「さいたまへの合併」
埼玉の敗因を分析します。
最大の敗因は、県庁所在地のさいたま市が載っていなかったことと言えましょう。
さいたま市は、2001年に浦和・大宮・与野の3市が合併して誕生しています。その後2003年に政令指定都市となり、2005年に旧岩槻市が編入されています。(参考:Wikipedia「さいたま市」)
合併前のUrawa、Omiya なら載っていました。しかしアメリカの辞書に、合併後の市名はいまなお反映されていません。
その意味で、この合併は失敗です。
合併などしなければ、千葉とタイに持ち込めたのに。
政令指定都市化を狙った政略結婚ならぬ政略合併、(辞書の用法と意味が違いますが)「野合」の批判は免れないでしょう。
Jリーグのチーム名も、いまだに浦和と大宮ですしね。
「関東3位」なのかは今後要調査
単に2県を比べただけなので、関東の他都県の状況はわかりません。
「関東3位争い」の結論は保留いたします。
つづく、かも。
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