こんばんは。林修ナイトの時間です。
8月29日放送の「プレバト!!」に林修さんが出演されていました。「芸能人自己PRランキング」と題し、出演芸能人が50字以内で書いた自己PR文を林さんが添削するという趣向でした。内容をテキストにしておきます。
「プレバト」というのは、「プレッシャーバトル」の省略形みたいです。
基本情報
プレバト!!今こそ使いたい正しい日本語SP(TBS系 2013/08/29 19:00-20:49 OA)
番組内容(地デジ番組表より抜粋)
【必見!!林先生の超本気授業!】芸能人の恥…ダメ文章が生まれ変わる!?林修流の添削マル秘テクを大公開
【番組内容】
今回は林修先生が問題作成に参加する。出演者は事前に芸能人としての魅力をアピールする「自己PR文」を50文字以内で用意し、文章の書き方のプロ・林修先生が辛口添削を行う。限られた字数で自分の魅力を端的に伝えられる芸能人は誰なのか?先生が絶対に役立つ魔法の文章テクニックを大公開!
【出演者】
【コミッショナー】
浜田雅功
【アシスタント】
枡田絵理奈(TBSアナウンサー)
【ナレーター】
銀河万丈【出演】(50音順)
入山杏奈(AKB48)
おおたわ史絵
唐橋ユミ
品川祐(品川庄司)
杉村太蔵
高橋茂雄(サバンナ)
高畑淳子
中村昌也
美奈子
山村紅葉
和田アキ子
渡辺徹
トータルの放送時間は30分強でした。
林さん以外の出演者の発言は所々はしょっていきます。
芸能人自己PRランキング
ナレーション)今夜は、今話題のこの先生が本領発揮。あなたはたった50文字で自分の魅力を伝えることができますか?
ナレーション)林先生はたった50文字でも他人よりワンランク上の文章を書くことができる。そう。今テレビに出ずっぱりの林先生は、実は言いたいことを端的にまとめる文章作りのプロフェッショナルなのだ
ナレーション)そこで今回は、芸能人が本気で書いた50文字の自己PR文を林先生が本気で採点
芸能人自己PRランキング・ルール
- 収録前に50文字以内で自己PR文を作成
- その自己PR文を林先生が100点満点で採点
- 1位~12位までランキング形式で発表
浜田「さ、どっから見ていきましょうかね。7位ぐらいからいきますか」
ナレーション)ごくごく普通な7位の自己PRを書いたのは
7位 美奈子 50点
美奈子です。
1983年生まれ、
30歳ジャスト。
6人の子どもをもつ
シングルマザー。
再婚、出産願望あり!
(50字)
浜田「まだ? まだ産む気?」
林先生の文章テクニック(1)
50文字の短い文章では(同じ情報は)いらない
「まあまあ、中間ぐらいかなと。もうこれ、美奈子さんってわかってますから、いらないです」
美奈子です。
「それから50文字しかないのに、83年生まれで、30歳、おんなじ情報2回も。これもずいぶんロスしてますね」
1983年生まれ、
30歳ジャスト。
枡田「30歳」
「ええ。30歳でもうわかりますから」
「これだいぶ字数浮きましたよ。で、ここはやっぱりねぇ、こういう人なかなかいま日本では貴重なので、押していただきたい」
6人の子どもをもつ
シングルマザー。
「でしかも、いまの皆さんの反応を見ても、え、まだ?と。これも欠かせないですね」
再婚、出産願望あり!
「ですからこことここを残して、なんでまだ産みたいんですか、このなぜ。(板書)why これを、入れてみる」
ナレーション)もっともPRしたい部分にWhy、なぜを入れた方がいいという林先生だが、そうすることでどんな文章に生まれ変わるのか
林先生 添削文
30歳で6子を持つ
シングルマザーも再婚、
出産願望あり!
だって、まだまだ
愛されたいし、
愛せるんだから。
(50字)
「愛せるにしておくと、旦那さん、新しい旦那さんと、新たに生まれてくるお子さんの両方に使えるんで、それであの言葉を使いました」
品川「愛されたいし愛せるんだからはでも、先生が勝手に考えたんですか」
「勝手に作ったんで、ちょっともしかしたらご本人と、理由が違うかもしれないですけれども」
美奈子「使わせていただきます」
ナレーション)いちばん言いたいことを選び、そこにWhy、なぜの理由を付けてインパクトを強くすれば、端的かつ明確に言いたいことが伝えられる。これが、文章のプロ、林先生のテクニック
林先生の文章テクニック(2)
上手な文章を作るには(5W1H)をはっきりさせる
「上手な文章ってなかなか難しいんですけれども、ふつうわかりやすい文章っていうと、いわゆる5W1Hがはっきりしている。つまり、
- Who 誰が
- What 何を
- When いつ
- Where どこで
- Why なぜ
- How どのように
そういう要素がはっきりしていれば、わかりやすい文章にはなるんですよ。ただ、50文字ですから、全部を入れることは無理です。ですからどれかのポイントを犠牲にしつつ、うまく組み合わせていかにインパクトのあるものに仕上げるかが、そういうところで、僭越ながら、採点させていただきました」
浜田「これが真ん中ですよ。この下に5人いるってことです」
浜田「1個下見ます? 8位見てみましょう。8位はこの人」
8位 高橋茂雄 45点
僕は大卒で言葉を
大切に使う芸人という
仕事なのでこの番組に
最適だと思います!
そしてガヤも
全力投球します
(50字)
高橋「僕はもうこの番組の、スタッフに、自己PRしてこの番組に呼んでもらうっていう意味で書いたんですね」
ナレーション)芸人なのに100点狙いで大まじめに書いた自己PRは、たったの45点
林先生の文章テクニック(3)
文章の最初には(インパクト)をつける
ナレーション)ここで林先生が教えてくれるのは文章の入り方
浜田「ボク的には大卒でっていうのがもうちょっと、どうなんや」
「いや、もう今おっしゃいましたよね。これいります?」
浜田「いらないですよね」
「ですよねこれ」
大卒で
高橋「だって番組のキャスティングする時に大卒とかで呼ぶやん!」
「もうその過去のこの、特に学歴とかを前面に出すのはもう、やめましょうよ」
「あと、言葉を大切に使うっていうのは、まああの、どんな仕事でもそうですから、それほどインパクトがないですよね」
高橋「ちょっとなんか、めっちゃスベってる感じしてきた。心臓きゅんきゅんするわ。やり直したーい」
「このあたりは熱意を買ったところで、ここもいいなあと」
この番組に最適だと
そしてガヤも
全力投球します
「ただやはり、最初の印象って大事ですから、スタートで失敗するとなかなか取り返しはきかないと」
高橋「つかみでスベった感じ(ですか)」
「ああもう、おっしゃるとおりです」
ナレーション)後半部分の熱意は伝わるが、冒頭にインパクトがないという高橋の自己PR。これを林先生が書き直すと、どんな文章に生まれ変わるのか
林先生 添削文
芸人としての
キャリアを積む中で
鍛え抜かれた言語感覚は
この番組には不可欠!
さらにはガヤにも
全力投球!
(49字)
浜田「すっきりした感じはしますね。たしかにね」
「いちおうその言葉というのを押してらっしゃるんでそこは残しておきたいし、でここはもうそのまま使いました。そして番組に向けてのアピールになるようにという形ではまとめました」
高橋「はぁ~ 言語感覚は」
和田「なかなか言わないよふつう。言語感覚」
浜田「ただねぇ、この流れで言うと、品川がおんなじようなアピールしてるんですね」
浜田「品川の順位を見てみましょう。品川の順位はこちら」
2位 品川祐 85点
企画の意図をよく理解し
雛壇からMCとゲストの
繋ぎ役として
トークの裏回し、
ツッコミを
得意としています。
(50字)
浜田「先生これは、なぜここまで高いということですか」
「はい。あのぅ前半ですね、まずひな壇っていうね、Where の場所をびしっと示して、場所を示した解答たぶんほか1個もなかったと思うんですね。でしかも、ただがんばる、全力投球というだけではなく、どんなことがどのようにできるかの、How の部分が、非常にはっきりしてまして、でそのうえなおかつそんなにポイントを詰め込みすぎていない。あのぅ、直す必要がないなと」
ナレーション)高橋とは違い、最初に場所を示しながら、具体的にどのようなことが得意か明確に書いた品川が、見事第2位
ナレーション)文章は最初が大事。インパクトをつけるため無駄を省き、なるべく具体的なフレーズを使いましょう
浜田「次はじゃあ、美奈子さんの1個上見ましょうか。さあ、6位はこの人」
6位 山村紅葉 60点
サスペンスの裏女王。
年間32本!!
舞台では主演を好演
バラエティーで
天然ボケ発揮?!
早大政経卒のマルチ女優
(52字)
※!! と?! を各1字とすれば、50字
林先生の文章テクニック(4)
50文字の短い文章では(詰め込み)すぎない
「あのぅこういうのが非常にわかりやすいという印象を与えるのも事実なんですが、やはり、50文字という字数を考えると、できれば2から3ポイントに絞りたいんですよ。ちょっと詰め込みすぎですよね。そうするとポイントが、ボケてしまうんで、どこか少し調整した方がいいと」
ナレーション)たった50文字の中にアピールしたい要素が4つも入っている自己PR。詰め込みすぎだというこの文章は、林先生の手でどう生まれ変わるのか
「やっぱりもうこれやめましょう」
早大政経卒のマルチ女優
山村「そっか。私クイズ番組も出ようと思って欲張っちゃったんですね」
品川「あれはクイズ番組対策だったんですか?」
「皆さん今もう、実績で、ほんとに今のお力で勝負されてるわけですから、もうこういうのはなしで」
「でもこれはもう絶対欠かせないですね」
サスペンスの裏女王。
「これを中心にバーンと据えといて、でこの数字っていうのは説得力があるんですよ」
32本
「やはり何か人に話すときにですね、何%ですよ、43%ですよとかって数字を入れる。ですからこれは生かして」
「そして、ここは皆さんからするとですね、あれ、そういうこともやってらっしゃるんだということで残したい」
舞台では主演を好演
「ほんとはもう1ポイント削りたいんですけれども、まあこういうところを残しながら、そしてそのキャラ面は出しておく」
天然ボケ
「でこれはもう、学歴は切る。こういう形で、ちょっと直してみました」
林先生 添削文
年間32本出演する
サスペンスの裏女王は、
実は舞台で
主役もこなし、
バラエティーでは
天然ボケ全開!
(47字)
「いちおう3ポイントがはっきりわかるように、はい、まとめ直してみました」
浜田「あのねぇ、あとポイントのアピール多すぎた人があと2人おるんですよね。ちょっと2人とも見てみましょかアピールの多い2人。はいこちら」
5位 杉村太蔵 70点
9位 渡辺徹 40点
ナレーション)いろいろアピールしたくて要素を詰め込みすぎた欲張り2人。いったい何を書いたのか
渡辺徹の自己PR文
刑事からアイドルへ。
バラエティも。
一方で俳優として
舞台も続ける。
そんな、太っていても
彫の深い万能人間
(50字)
「もう万能って言ってらっしゃるわけですから、あそこまで前半こういろいろ具体例を挙げられることはないと思うんですよね。あとあの「彫りの深い」がほんとに顔のことをおっしゃってるのか、また比喩的な意味なのかが少しわかりにくいんですけれども」
渡辺「へ? 間違いなく顔のこと(を言ってますが)」
浜田「どこがやねんな。どこが彫りが深いんや」
杉村太蔵の自己PR文
外資系証券会社
株式調査部勤務経験あり。
語学堪能。
企業の定性分析に自信。
主に日系半導体
セクターを担当。
(50字)
浜田「なにを言うとんねん」
杉村「申し訳ないけど僕ね、ワールドビジネスサテライト(WBS)をイメージしていました」
「これはあの、履歴書にこういうふに書かれたんですよね。たぶん、たとえば自民党とかに出されたとき」
杉村「もろ書きましたこれ。そのまんま」
「ですからまあ、そういうときにはこれでいいと思うんですけれども、やはり50文字っていう、えーそういう制限がありますから、皆さんやっぱりほんとたくさん入れればいいと思われるんですけれども、やはり字数が限られてるところへたくさん入れたら1つひとつがどうしてもインパクト弱くなるんですよ。ここは断捨離しなきゃダメだと」
杉村「いやいや反論ですけどね、アピールしたのたった3つだけなんですよ。…いや4つあるか」
「そう4つある」
浜田「どないやねん」
浜田「ただこの3人はポイントが多すぎるということですけど、逆にポイントがすっきり、整理していたっていう方々が。さあそれは、この方」
4位 和田アキ子 75点
東洋人初の単独公演を
ニューヨーク・アポロシアター
にて開催した
日曜日お昼の顔。
今年で
歌手生活45周年。
(50字)
浜田「これは先生すっきりしてますよね」
「そうですね。それともうひとつやはり、何々初っていうのはインパクトありますね。ほかにはいないんだよ、ほかの人とはちょっと違うんだよっていう。ましてやこれはアッコさんがおっしゃるわけですから、これは書き出しからもう素晴らしい」
「さっきどなたか書き出しで壊れてた方がいらっしゃいましたけど」
高橋「どうやら、僕のこと言うてはるな」
品川「ただ先生に1つだけ苦言を呈するんであれば、アッコさんの方が僕より全然いいですけどね」
浜田「お前ええかげんにせえよ。おい!」
品川「先生生意気ですけど、絶対アッコさんの方が素晴らしい」
浜田「お前汚いなーお前は」
和田「ねえほんとに品川、そう言ってくれんのはありがたいけど、私は君のこと嫌いになった」
つづく。
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