各位
ヤシロです。いつもお世話になっております。
表題の件、追ってのご連絡です。
去る8月15日に日本武道館にて執り行われました、日本政府主催の「全国戦没者追悼式」で使用されております「全国戦没者之霊」の標柱について、この文字の揮毫を誰が行っているのかという点におきましては、既に途中経過として「【未解決】で、いま「全国戦没者之霊」の字は誰が書いてるの?」にて一次報告しておいたところでございます。
当方より日本武道館の会場設営を請け負った(株)ムラヤマ様へ問い合わせておりましたところ、そちらのご担当者様より質問を転送いただき、本日「厚生労働省 社会・援護局 援護企画課」名で回答をいただきました。
本件に関係された方々におかれましては、大変お手数をおかけいたしました。この場を借りまして、厚くお礼申し上げます。
回答
さて、掲題の件でございますが、
標柱の揮毫につきましては日展理事を務めておられる書家の新井光風氏に依頼しております。
とのことです。(太字は引用者)
また、
中部森林管理局から納入された時点ではまだ揮毫は行われておりません。
なお、加工・揮毫の工程につきましては保安上の理由からお答えすることができません。
とのことでした。
いずれも承知いたしました。
関係された皆様に、重ねてお礼申し上げます。ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
※画像は首相官邸>全国戦没者追悼式(平成25年8月15日付)より
平成25年8月23日 ヤシロタケツグ 拝
新井光風さんについて
「鳶飛…」 (2013)
※画像は書道ジャーナル研究所より
新井光風さん(b. 1937)
※画像は朝日カルチャーセンター新宿教室より
kotobank 新井光風より
昭和12年3月10日生まれ。(略)(平成)13年から全日本書道連盟副理事長。殷周時代の金文や戦国・秦時代の古代文字を素材にした作品がおおい。16年「明且鮮(めいかつせん)」で芸術院恩賜賞。東京出身。専修大付属高卒。本名は儀平。作品はほかに「九穀斯豊」「盛稲梁」など。
所属会派等
(書道ジャーナル研究所、および、朝日カルチャーセンター新宿教室>新井光風塾の記述を元に一部訂正)
- (公社)日展理事(2013年5月23日現在。会員名簿による)
- 読売書法会常任総務(2013年4月18日現在。読売書法会の役員による)
- 謙慎書道会会長(2013年2月1日現在。組織・役員による)
- (公社)全日本書道連盟顧問(2011年4月現在。名誉顧問・顧問一覧(PDF)による)
- 国立新美術館評議員(2012年2月29日現在。平成23年度活動報告(PDF)による)
- 東京都美術館運営委員
- 現代書道二十人展(主催:朝日新聞社)メンバー(参考:朝日新聞デジタル)
- 大東文化大学名誉教授(参考:板橋図書館のサービス向上等について)
既に知る人ぞ知るだった
いま、全国戦没者追悼式の「全国戦没者之霊」の標柱の文字を揮毫されているのは新井光風さんである。
既に知っている人には知られている話だったみたいですね。当たりまえですが。
探すと、こんなブログ記事がありました。「書家・新井光風展 4月2日から開催|好きこそものの上手なり」(2013年4月3日付)の本文から引用します。
また、毎年、8月15日に武道館が行われる「全国戦没者追悼式」の標柱と、今回で二回目になる「東日本震災追悼式」の標柱も揮毫も行ってきた実力者でもある。
東日本大震災追悼式での標柱
そちらの標柱(2013)は、こんなです。
※画像は首相官邸>東日本大震災二周年追悼式(平成25年3月11日付)より @国立劇場
比較対照用に、東日本大震災一周年追悼式(2012)の画像も掲載しておきます。
※画像は首相官邸>東日本大震災一周年追悼式(平成24年3月11日付)より @国立劇場
これも「二周年」と同じ方の筆によるものに見えますが、どうでしょうか。
今さらで恐縮でございます
上で引用したブログ作者の方は、新井光風さんについて続けてこう書かれています。
まったく不思議ですね・・・・
この人は歳を重ねるほど筆の勢いが増して行くようで、確かに変化ではなく確実に進化を見せている人ですね
こういう生き方は作家といえども稀なんですよ。それだけに「もったないし、悔しいです」
そのような向きには「今さら」感満載でお送りしております。恐れ入ります。
「いつから」を確認しそびれた~ ―残る空白の5年間
「いま」誰なのかを聞いただけだったので、「いつから」を確認しそびれました。
新井光風さんの「全国戦没者之霊」に言及したネット情報は少ないのですが、
金子鴎亭氏が担当した事は夙に知れ渡っているが、全国戦没者追悼式・標柱「全国戦没者之霊」揮毫(1999年~)。ニュースで字を拝見して察したが、東日本大震災一周年追悼式・標柱「東日本大震災犠牲者之霊」揮毫(2012年)。
以上を特筆しておきたい。
とするブログ記事「新井光風作品展」(2013年4月9日付)がありました。
この記述が正しいのであれば、全国戦没者追悼式の標柱の文字を揮毫した人物の変遷はこうなります。(敬称略)
- 1952, 1963~1993 金子鴎亭(故人)
- 1994~1998 ??
- 1999~ 新井光風
※2013年現在
1994~1998年の5年間が、「ミッシングリンク」ですね。気が向けば追って調査します。
ただし「ノー厚労省」しばりで
ただし、調査するなら「厚生労働省の社会・援護局 援護企画課には問い合わせない」というしばりを自分にかけておきます。
厚生労働省殿へは、常日ごろより雇用問題、医療・年金・介護の社会保障の問題で一国民として迷惑をおかけし続けておりますので、これ以上雑務にかかずらわせるのは本意に外れます。
今回もお手間をおかけしました。
こちらからは以上です。
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