三省堂国語辞典 第八版|三省堂辞書ウェブ編集部 の「メディアでの紹介」コーナーを基点にして、一本の線上に連なる点を拾ってみました。解像度粗めのリンク集です。
なんだかんだ言ってもNHKの拡散力。と、ひと言でまとめるとそういう話です。
女と男と『三省堂国語辞典』2022
※画像は三省堂国語辞典 第八版特設ページより
2022年1月の時系列順です。コンテキストの説明は極力省いてます。私がわかればそれでいい的アティテュード。
1月2日(日)
始まりは、NHK首都圏局ディレクターの寺越陽子さんの取材レポートです。※肩書きはリンク先表記による
時代で変わる国語辞典 かつて「女」は「優しく産み育てる人」今は?|NHK首都圏ナビ・Webリポート(2022/01/02付)
リストアップしたNHK総合テレビの放送コンテンツは、すべてこの取材がベースになっています。
1月5日(水)
NHKニュース おはよう日本(関東甲信越)▽変わる「女」の意味 辞書改訂が映した時代 7:45ごろ
※見逃し配信は終了しています。見出しのみ残っていました。
以下も基本同じです。いずれそうなるので。
同辞典の編集委員の1人である飯間浩明さんの同日付のツイートから:
ロキタンスキーの患者の方とお見受けします。引用されたデジタル大辞泉の2は「あえて~ず」と打ち消す用法です。私の意図は「あえて(辞書の通例としては)やりにくいことを押しきって触れるかどうかは」とご理解ください。ここは「あえて」を使わなくてもよかったところで、配慮不足をおわびします。
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) January 5, 2022
ロキタンスキー症候群をはじめて知りました。
1月11日(火)
NHK首都圏ネットワーク▽国語辞典編さん・言葉の意味が時代とともに… 18:45ごろ
より多数にリーチしたのか、ネット世間からさらにあれこれ反応が出てました。あらためて紹介はしません。
1月13日(木)
「フェミニズム」が加わりました。
項目「フェミニズム」p.1316
男も女も性的少数者も平等に扱われるべきだという考え方。〔以前は女権(拡張)論などと訳された〕→次に性的少数者を引いてみよう pic.twitter.com/6ZaJUB9pSQ
— たけのこ (@bam_boo_shoots) January 13, 2022
私の頭の中で、Perfumeの《ポリリズム》が再生されました。
ポリリズム(2007)
Perfume
¥255
前述の「首都圏ネットワーク」放送から1日半のタイムラグがある経緯も追いましたが、ここでは割愛します。機会があればどこかで。
三省堂国語辞典と「フェミニズム」との接点を突き止めるべく、誰に強いられてもいないのに前掲「首都圏ネットワーク」の放送時刻からのべ40時間分の「フェミニズム」ツイート検索結果を追跡するという、千日回峰行に匹敵する(しない)難行を果たしたことも、ここだけの秘密です。
なぜ千日回峰行に匹敵する(しない)難行と書いたかも、やればわかります。決しておすすめはしません。
1月18日(火)
『三省堂国語辞典』(8版)に関する意見と公開質問状|No!セルフID 女性の人権と安全を求める会(2022/01/18付)
同辞典の「女」「男」「フェミニズム」に意見していました。
このテキストに対してはいろいろありますが、デリケートゾーンのフェミニーなところなので、別途慎重に取り扱います。
1月25日(火)
8年ぶり改訂の三省堂国語辞典の「フェミニズム」にザワつく心 「適当なこと言わないで」(北原みのり)|AERA dot.(2022/01/25付)
1月26日(水)
あさイチ▽時代を映す「ことば」 辞書編さん 舞台裏 9:09ごろ
NHKプラスの配信期間に間に合って見られました。「ことばハンター 直撃インタビュー」と題して、飯間浩明さんがリモート出演されていました。
『三省堂国語辞典』の「女」「男」の変遷は、コーナー最後の9:21~9:27あたり。
飯間さんからはこの日のメインテーマ「なりたい自分になる!“ハッピーの達人”に学ぶ新習慣」に寄せたコメントもあるなど。
余談ですが、中川安奈アナウンサーがコーナー司会でした。「あさイチ」の中川アナは別番組からあるいは共有の使い回し企画をよく受け持ってる印象です。局内にアンチが多くて一次取材ネタを割り振られてないのかななどとゲスな想像をするのでした。
お砂糖とスパイスとまとめ
以上の経緯から
- 寺越陽子ディレクターの取材では「女」「男」だけだった
- そこに「フェミニズム」が後乗せで加わった
この事実関係は押さえておく必要がありそうです。
もうひとつ。『三省堂国語辞典』の「女」にしても、元をたどれば寺越さん発の着眼点ではなく、取材対象であった飯間浩明さん起源の可能性が最も高いです。
2015年付の次のツイートがあったり、
『三省堂国語辞典』の「男」「女」の語釈の移り変わりについてまとめました。「主観的な性」まで含めると、「男」「女」の説明は難しく、課題もありますね。 pic.twitter.com/sTe4zFIK1L
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) October 7, 2015
また飯間さんの著書『辞書を編む』(2013)pp.54-57にも、『三省堂国語辞典』初版の「おんな」ができるまでのストーリーが述べられていましたので。
文献学的にはもっとさかのぼれるかもしれませんが、とりあえずここまで。
次回予告的な何か
どぶろっくの《○○な女》のメロディーに乗せて歌います。
ミュージック、スタート
新・〇〇な女(2015)
どぶろっかーず
¥255
♪~
女女女女、女女女
女女女女
『三省堂国語辞典』にモヤってる女は~
傷ついてる
ケガしてる
かなり痛い
つづく
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