こんばんは。林修ナイトの時間です。
「あすなろラボ」でのおデブ向け授業の感想シリーズ、その8です。
はじめに
シリーズの(5)と(6)で、「ひとりで生きてるわけじゃない」から「迷惑」を持ち出したあたりの林さんの進め方は、筋が悪かったと感想を述べました。
この記事では、私的対案として「ではどうすればよかったか」を述べます。
対案を示します。
「迷惑」という基準ではなくて、次のようなストーリーで生徒たちに自身のデブのあり方を問いかければよかったのではないでしょうか。
デブのキャリアパスを考える物語:「デブ課長 島耕作」
「向こう側」から「デブ」の仲間入りを果たしたあなた。
しかしあなたはまだ、デブ出世街道のほんの入り口に立ったにすぎません。
たとえるなら「デブ課長 島耕作」です。
「デブ 島耕作」の出世の階段
デブ課長 島耕作には、次のような出世コースが用意されています。
- デブ部長 島耕作 ― 新幹線で普通車の1座席に座れない グリーン車ならOK
- デブ取締役 島耕作 ― グリーン車の座席に座れない 普通車2座席ならOK
- デブ常務 島耕作 ― 車内のトイレ(小)スペースから、体の向きを180度変えて出てこられない(女性は飛行機のトイレスペースに読み替え)
- デブ専務 島耕作 ― 乗降用のドアが狭すぎて、新幹線に乗れない
- デブ社長 島耕作 ― 太りすぎて自立歩行ができない そして「貨物」へ
以上がだいたい、デブ業界における標準的なキャリアパスとされています(根拠不明)。
有名人らでたとえてみた
出世コースのそれぞれをたとえてみると(敬称略)
- デブ部長 島耕作 内山信二レベル
- デブ取締役 島耕作 マツコ・デラックスレベル
- デブ常務 島耕作 ピーク時の小錦レベル
- デブ専務 島耕作 世界仰天ニュースレベル
- デブ社長 島耕作 FBI出動/ギネス申請レベル
となります。
出世の代償
「デブ 島耕作」のあなたが出世すればするほど、何かしようとしたときに生じるコストは増えていきます。
出世と引きかえに失われる物事(規格内とか健康とか)、そのコストもあります。
そして、周囲があなたを特別扱いせざるを得ないことによるコストも一緒に積み上がっていきます。
すべての「デブ 島耕作」へ問う
あなたはどこまで出世したいですか。
どこまで特別扱いされたいですか。
まとめ
これで良かったと思います。
- 「どこまで出世できるか」は、運も含めた能力・資質の問題。
- 「どこまで出世したいか」は、生き方の問題。
存分に能力・資質を発揮し、力量を高める方向を求めるのも生き方。それが幸福につながるかは別の問題。
特殊な内輪のスキルを存分に発揮して出世したはいいが、気づいたら会社ごと沈んでた、みたいな話もあるわけです。パナソニックのことではありません。
歓迎されざる能力・資質を持つ不幸
「デブ 島耕作」の出世に貢献する能力・資質は、ポテンシャルを存分に発揮すればするほど幸福から遠ざかってしまうような性質の能力・資質でした。
ならばどこで線を引くか。そのときに選び取れるゾーン・選択肢は、一律でいいはずがありません。幅広くあってほしいです。
あわせて、そんなに幸福が大事かというのも、考えるに値する問題です。
しつこいですが、デブ論の本質
既にこの感想シリーズで何度か述べていますが、くり返します。
デブ論の本質とは、
「規格外の物事に対し、どのような態度を取るか」です。
さらに社会的な問題にまで還元するならば、
「マイノリティとの共存のしかた」となります。
しつこいですが、「迷惑」アプローチの筋の悪さ
どの出世段階にいるデブ 島耕作であれ、当人がデブ 島耕作であるがために生じているコストを、デブ 島耕作自らが引き受け負担しているのであれば、デブ 島耕作が「迷惑」と言われる筋合いはないはずです。
これも「迷惑」からのアプローチが筋が悪いなと思った理由になります。
個々のケースで「コスト」「応分の負担」それぞれを適切に算出し、さらに妥当性を判断するのは難しいですけどね。
ほんとしつこいですが、賢くなりたい。優しくありたい
僕は規格外の物事に対して、できる限り寛容でありたいです。
ここで述べている極論にだって、寛容であるあり方は存在すると思います。
たとえば、ピアノを専門に運ぶ業者があります。
であれば、デブ社長 島耕作を専門に運ぶビジネスがあったっていいはずです。
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