こんばんは。林修ナイトの時間です。マジでおいしい牛乳の話です。
「おいしい牛乳」をほめる林さん
林さんは、著書『今やる人になる40の習慣』のなかで、「おいしい牛乳」のネーミングを「すごい」とほめています。
まず、インパクトの面で勝っているネーミングです。しかし、『おいしい牛乳』のすごさは、それだけではありません。「おいしい」と自分で宣言してしまった点です。(p.187)
僕もうまいネーミングだなとは思います。ですが、しょせん自称にすぎません。
マジでおいしい牛乳とは
僕に言わせれば、マジでおいしい牛乳は別にあります。
それは、低温殺菌牛乳です。
牛乳の殺菌方法
牛乳の殺菌方法には、大別して3種類の方式があります。
- 低温長時間殺菌(63~68℃ 30分以上)
- 高温短時間殺菌(72~78℃ 15秒以上)
- 超高温瞬間殺菌(120~150℃ 1~3秒)
日本の牛乳は、大半が3番目の超高温瞬間殺菌です。だいたいが「130℃ 2秒間」です。各社の「おいしい牛乳」もそうです。
疑惑のニオイ
超高温殺菌の牛乳には、ツンとした独特の臭いがあります。臭いの元は、牛乳に一定以上の温度を加えると発生する、ジメチルサルファイド(硫化ジメチル)という成分だそうです。
この臭いが、風味を損ないます。殺菌方法が同じ各社の「おいしい牛乳」も例外ではありません。
低温殺菌牛乳は、この臭いがしません。
以上のことを、僕は『パオロ・マッツァリーノの日本史漫談』の第7章「疑惑のニオイ」で知りました。この記事の記述も同書に負っているところが大きいです。
なお殺菌方法による栄養価の違いはないそうです(日本乳業協会:牛乳の殺菌方法)。
超高温殺菌で「おいしい」の滑稽
以来僕は、努めて低温殺菌牛乳を買っています。「必ず」でないのは、近所では売っている店が少ないうえ、入荷も少なくて品切れになっていることも多いからです。
低温殺菌牛乳は、他の方式よりも殺菌に長時間を要し大量生産には向いていないため、価格も1リットルパックで何十円か割高ですが、価格差を上回る価値があります。ただ正直言うと、価格差が80円を超えると手が出ないときはあります。
低温殺菌牛乳の風味を知っていると、超高温殺菌のままで「おいしい牛乳」を自称するなど、たちの悪いご冗談に見えてきます。
牛乳を買うときは「殺菌」をチェック
牛乳の品質表示については、全国飲用牛乳公正取引協議会という業界団体が「飲用乳に必要な表示事項」として項目を定めています。
牛乳を買うときは、そのなかの「殺菌」欄を見て、どの方式で行われているかをチェックしましょう。
それが、マジでおいしい牛乳の見分け方です。
<低温殺菌牛乳の表示例>
低温殺菌牛乳は、その殺菌方式から「パスチャライズド」という名称がついていることもあります。それも目安となるでしょう。ただしその場合も、殺菌方法の確認をお忘れなく。
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