こんにちは。ちょっとした生活の知恵を紹介します。
要約:Executive Summary
ものの本によれば、文句ばかり言ってくる親に対しては、その言い分を指摘・確認して返すのがいいそうです。覚えておきましょう。
※画像と本文はあまり関係ありません。
相手が親以外の場合にも、また、ディスられる以外の別の場面でも応用できそうです。
ディスられるとついやってしまいがちですが、「何でそういうことを言うの」や「やめて」などと返すのは「悪手」です。「次の一手」で相手有利、自分不利となるからです。効果的ではありません。 あわせて心得ておきましょう。
disってくる親の「反応言語」
Kindleで『私は私。母は母。』(2012)を読んでいたら、「反応言語」なる用語が出てきました。
以下、同書の「EPISODE 10」からの引用を加えながら詳述します。
定義
相手の言動に伴い、半ば自動的に発せられる言葉を私は「反応言語」と呼んでいる。
だそうで、著者の加藤伊都子さん独自のワードのようです。
特徴は「勝手気まま」
反応言語の特徴は「勝手気まま」です。
具体例:
食欲がないと言えば「しっかり食べなきゃダメよ」と言い、よく食べれば「そんなに食べたら太るわよ」と言う
あるあるですね。
否定マインドの産物
同書によると、反応言語は
不足を探すことに向けられてきた神経
を出どころとしていますから
否定的なのは当然
でもあります。
口うるさい、過干渉タイプの親がよく使いそうです。
言い返し方は?
そこで本題です。「反応言語」へは、どう応じればいいのでしょうか。
答えから先に述べます。
指摘、確認するのがいいそうです。
いい例:
美恵子さんの例で言えば、「英文に行っている子は上品で、食物科に行っている子は品がないということね」と、真面目な顔をして確認するようなことである。
指摘し確認すれば、こうなると述べています。
真剣な顔つきでそう言えば、(略)「そうよ」とは言わない。
「そんなこと言ってない」と言うかもしれないが、まずかったなと思えば、二度と同じことは言わなくなる。
本当にそんなうまいこといくかな?との疑念もありますが、とりあえず、そういう説明でした。
良くない例:
一方、
- 質問→「何でそういうことを言うの」
- お願い→「そういうことを言うのはやめて」
は、ともにいい手筋ではなさそうです。 なぜなら
「何でそういうことを言うの」と問えば、「あんたができていないから」と、さらに不快なことを言われ、
「言うのはやめて」と言えば「あんたがちゃんとしないからやめられない」という責任転嫁が行われる。
からです。いずれも自分側が不利です。なんだか将棋の解説みたいになってきました。
「きっちり怒る」はハードル高め
同書にはもうひとつの対処法として、「きっちり怒る」やり方が示されていました。 ただしこれは少々、読んでいて実行のハードルが高く感じました。
「言うのをやめて」と頼む必要はない。どちらかというと、「同じことを言ったら許しませんよ」というくらいの上から目線で言ったほうが効果がある。
とあるのですが、親を相手にそれが容易にできるのなら、たぶん文句を言われっ放しなんてことにはなっていないでしょうから。
自分が親であることをアピールする以外に目的のない反応言語は、他者の強烈な、不快感の表明をおしてでも表現され続けられるほどの意味も力も持たない。
ということらしいので、
これも「なるほど。親アピールですね」のように、指摘、確認するスタイルへ取り込むほうが簡単そうです。
類似事案:弁護士の尋問テクニック
親子関係とはまるで別ジャンルの次の記事にも、たまたまよく似たことが書かれていました。
- 佐川氏が証人喚問で陥った「悪魔の証明」という罠(大前治)|現代ビジネス(2018/03/30付)
似てるなと思ったのは、記事の本題にからめて紹介されていた法廷での尋問のテクニックです。
相手側へ質問をするときには、「本当のことを話させる」ことを目標にせず、「分かりやすく見抜ける嘘をつかせる」ことを目標とする。
と、相手にわかりやすい嘘をつかせるのを目指すのだそうで。
例として、「夕日が東に沈む方向に、ハッキリ見ました」と証言する目撃者に対してどう質問するべきかを説明していました。
「あなたは、自分の目撃が絶対に正しいと思っているのですね」と尋ねたうえで、「太陽が東に沈むのを間違いなく見たのですね」と言う。それだけで質問を終わらせてよい。
これをみた裁判官は、証人が嘘をついていると分かるはずだ。
わかりやすく単純化されてはいますが、先述の「指摘、確認」によく似たスタイルであることがわかります。
「あなたは間違っている! 夕日は東には沈まないはずだ!」などと法廷で論争をする必要はない。
なるほどそうかもしれません。通じるものを感じます。
まとめ
デマ、フェイクを含め、世の中は勝手気ままな情報発信と発信者であふれています。
ヘタに反発したり、反発せずとも正面から受け止めてしまうのでなく、まずはその発信内容をくり返して指摘・確認し、その勝手気ままぶり支離滅裂ぶりを際立たせることが、過度に消耗せず心身の健康を保つための処世の知恵だと言えそうです。
そんなところです。
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