日本人の8割が無視するカレールーの真実

ハローエブリバディ!

藪からスティックにモーストジャパニーズにスプレッドするミスコンセプションをコレクションするから、みんなトゥギャザーしようぜ!!

勢いでルー語から始めてしまいました。自称そこそこルーに詳しいブログをやっています。日本語に書き直します。

突然ですが、大多数の日本人の間に蔓延する誤解を正す試みです。しばしお付き合いいただければ幸いでございます。

カレールーの真実とは

  • みんな大好きカレーライス。なのにみんな、ルーのことをほとんど知りません。
  • その証拠に、ご家庭でカレーを作るとき入れるブロック状のアレを、ほとんどの人が「カレールー」と書きます。
  • しかし、アレを市販する大手3社はすべて「カレールウ」です。
  • この事実に対し、大ざっぱに見積もって日本人の8割は無知または無視を決め込んでいます。まことにいかんです。

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Japanese Curry Roux(2008) from commons.wikimedia.org

「roux」の事実

カレーの「ルー」?「ルウ」?|NHK放送文化研究所 に、こんなQ&Aがあります。

Q カレーの「ルー/ルウ/ルゥ」は、放送ではどのように書くのがよいのでしょうか。

A カタカナ表記の原則に従えば「ルー」となります。

解説からです。

現代日本語では外来語をカタカナで書く場合、長音(のばす音)は「ー」を使うことになっています。

「ルーと書くのが基本」に異存ありません。

虚偽の実態に基づく空論

しかしここには異議ありありです。※下線は引用者

製品名などで「ルウ」「ルゥ」といった書き方も実際には見られますが、その製品の名前を固有名詞として取り上げるのでないかぎり、「ルー」と書くのが基本です。

例外とする条件がさもレアケースであるかのように書かれていますが、認識がおかしいです。なぜなら事実上「製品」ならばすべて「ルウ」だからです。ですから上の文章は、実態に基づかないミスリーディングな説明と断ぜざるを得ません。

製品を指すのであれば、「ルウ」と書くのが基本です。

事実:市販の製品はすべて「ルウ」

各社の実例を見ていきましょう。大手3社はすべて「ルウ」です。

ハウス食品

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パッケージ表示詳細:バーモントカレー<甘口>|ハウス食品

江崎グリコ

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プレミアム熟カレー > 商品ラインアップ|グリコ

エスビー食品

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商品情報 > カレー|S&B エスビー食品株式会社

よって市販の製品を指すのであれば、「ルウ」が正当です。

ついでにエスビー食品のサイトでは、シチューハヤシも「ルウ」でした。

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「ルウ」一色のカレー市場

現在カレールー市場は、上記の3社で占められているのが実態です。

ちなみに、「いまは大手でいえばハウス食品、エスビー食品、江崎グリコの3社くらい」という現状について、ハウス食品広報部は次のような見解を示しています。

カレールーの場合、大量生産しなければ採算をとるのが難しい。なので、どうしても設備が大きくなりますね。

ルーの場合は鍋の中にひとつの味しかつくることができません。お客さまは、いわゆる“指名買い”でブランドを購入される。そうしたこともあって、徐々にブランドが集約されていったのではないでしょうか。

出典:レトルトカレーはブランドが多いのに、なぜカレールーは少ないのか (4/5)|ITmediaビジネスオンライン(2015/04/08付)

市販されているのは「カレールウ」だけ

ですから、原材料から各家庭で自作するのではなく、明らかに市販品を指しているのであれば、カレー「ルウ」と書くのが正当です。

主要メーカーがすべて「カレールウ」と自称しているのですから、「市販のカレールー」など存在しないのです。

【2017/02/10訂正】

コスモ食品の製品は「カレー・ルー」でした。

市販のカレールーなど「存在しない」は言葉が過ぎました。「ほとんど見られない」に訂正します。

日本人の8割が無視

この事実に対し、日本人の少なくとも8割が無知、ないしは無視を決め込んでいます。

Googleでの検索ヒット件数から推定できます。(2016年6月現在)

  • カレールー:約 2,530,000 件
  • カレールウ:約 371,000 件

単純比較しておよそ7倍の開きがあります。「ルウ」の占有率は約12.8%、およそ8分の1にすぎません。

事実上「カレールウ」以外にあり得ない市販品を比較した場合ですら

  • 市販のカレールー:約 84,600 件
  • 市販のカレールウ:約 21,900 件

ほぼ4:1です。

きわめて遺憾です。

ガッテンの良心

そんななか、一筋の救いの灯がありました。※下線は引用者

市販のカレールウ

大手カレールウのメーカーによると、市販のルウは箱に記載されているレシピ通りに作ることで、想定通りの「万人好みの味」になるように開発されているとのことです。

出典:うまさ別次元!カレー大革命 2007年1月31日(水)|NHK ガッテン!

ちゃんと「ルウ」と書いています。現場の実態に即した適切な表記であります。

先ほど見た、現場を無視し空理空論を振り回していたNHK放送文化研究所のテキストとは好対照です。そんな、NHKという組織の層の厚さが素敵です。

まとめ

カレーの原材料となる「ルー」について:

バター、小麦粉、各種スパイスから自分で作るのであれば「カレールー」で全然構いません。しかし、市販されているブロック状ないしは粉末状のアレを意味するのであれば「カレールウ」と書いてください。

全員とは言いません。せめて半々にはなってほしい。その程度には、良識ある人がいると信じております。

以上、知りすぎて4月改編で降ろされたらしい(参照)まみちゃんも、ガッテンしていただけますでしょうか?

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『ためしてガッテン』|NHKアーカイブスより

次回予告:知られざる「ルー」5つの事実

あわせてこれらも(山瀬さんは別として)あまり知られていないように思える事実です。

  1. ルー【roux】はフランス語
  2. ルー本来の材料は、バターと小麦粉のみ
  3. フランスでは、ルーを使うカレーは日本料理
  4. ルー大柴さんの芸名は、本名の亨(とおる)に由来
  5. ルーさんのアルファベット表記は「lou」

気が向いたら詳しく書きます。

つづくかも

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