こんにちは。デザイン芸人「デザインや」です。とお年取って47です。
と、永遠のおばさんギャグから入ってみました。「当年」を「10（とお）年」と言い張り無闇に実年齢をごまかすという、さんざこすられ倒されている手口です。
時事ネタを浅追いしてみた件
（オープニング曲）
Hello Mr. Monkey(ニーハオ、猴子先生)（2006）
Mizi
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さて、おなじみ「ニュース浅追い」のコーナー
- 国内トップクラスのヒマを誇るデザイン芸人が
- 気になる時事ニュースの
- あまり気にされてないところを
- ゆるゆるふわふわ追跡する
今回のテーマは「新しい手口」というこちらです。代表して毎日jpの記事から。
- ［不正プログラム］ＴＶ無料視聴をネット公開、少年逮捕｜毎日新聞（2016/06/08付）
追跡する記述を引用しておきます。大事なところに下線と強調を加えておきました。
有料のデジタル放送をパソコンで無料視聴できるプログラムを開発してインターネット上に公開したとして、警視庁サイバー犯罪対策課は８日、佐賀市の無職の少年（１７）を不正競争防止法違反容疑で逮捕したと発表した。
逮捕容疑は昨年６月２３日、同カードがなくても有料デジタル放送が無料で視聴できるプログラムを独自に開発し、自身のホームページ上に無料で公開して不特定多数の人が閲覧、入手できる状態にしたとしている。
同課によると少年は、ネット上に公開された数百ページにわたるデジタル放送の仕組みが書かれた仕様書を読み込み、独自でプログラムを開発したという。
この第一報を見て、私は「心温まる素敵な話」と思ったわけです。
ネットの声
Twitterにも次のような声が多数ありました。比較的多くリツイートされていたものをピックアップしてみましょう。
でら有能。アメリカならどっかが雇ってる＞『ネット上に公開された数百ページにわたるデジタル放送の仕組みが書かれた仕様書を読み込み、独自でプログラムを開発』//＜不正プログラム＞ＴＶ無料視聴をネット公開、少年逮捕（毎日新聞） https://t.co/iDxjPpBnsc
— 光輝@I Love Magic Leap (@koukiwf) 2016年6月8日
サイバー犯罪対策として警視庁で雇おうよ。「少年はネット上に公開されていた数百ページに上るデジタル放送の仕様書を読み込んで視聴の仕組みを把握した上で、無料で見られる不正プログラムを独自に立ち上げた。」https://t.co/YoUkOwtNS0
— たられば (@tarareba722) 2016年6月8日
TVを無料視聴する為にプログラム開発したのか！世の中を変えるのは、こういう性能の高い人間なんだよな。個人的には、この17才の少年が何の番組を見たがってたかを気になるので、社会の役には立てそうもない。https://t.co/O0zyoP6kUJ
— 阿曽山大噴火 (@asozan_daifunka) 2016年6月8日
『少年は、ネット上に公開された数百ページにわたるデジタル放送の仕組みが書かれた仕様書を読み込み、独自でプログラムを開発したという』<事実ならすごいな / “不正プログラム：ＴＶ無料視聴をネット公開、少年逮捕 – 毎日新聞” https://t.co/LWiYZbZJPZ
— 徳丸 浩 (@ockeghem) 2016年6月8日
「事実ならすごいな」、そのとおりです。さて、報道は事実なんでしょうか？
そこを知りたくなったヒマなデザイン芸人が、このニュースをゆるふわに浅追いしてみました。 そしてその結果、タイトルのような説に至りました。
くり返します。「水曜日のダウンタウン」風に浜田雅功さんの声で読んでもらえれば幸甚です。
「B-CAS無料視聴プログラム公開で逮捕」の無職少年、警察に下駄履かされてる説
※画像は、新調したてんぐの高下駄｜kenoh.com（2012/09/17）より
結論：水増しの「下駄履き案件」だった
検証VTRに入る前に、先に「浅追い」による結論を述べておきます。
警察の水増しです。少年のゲタ履かされ感がすごかった。
以下、終わりまでさらに6000字ほど続きます。
認定事実：開発範囲はごくわずか
2014年11月と2015年1月に２ちゃんねるに立っていたスレッド2つに目を通しての見解です。
今回逮捕された「佐賀市の無職の少年（１７）」は、報道からイメージされるような「有料デジタル放送が無料で視聴できるプログラム」のスクラッチ開発などやってませんでした。実際に「開発した」と言えるのは、関係するプログラム全体のほんの一端、ごくごくごく一部だったみたいです。
推察できた「実態」についてものを言うとき、私の良心に照らせば、とても今回の事態を「独自に開発」と呼ぶことはできません。
というのも、どうやらそのほとんどが、別人（不特定複数）の構築してきた既存のソフトウェアらしいからです。
「弁当」なら「ごま塩」ぐらい？
ですから「無料視聴プログラム」の全体を「お弁当」にたとえれば、この少年さんが「開発」に関わったのは、ぜいぜいご飯に振りかけるごま塩程度。そんな印象です。
※個人の見解です
アレオレ詐欺の疑いが濃厚
したがって、本件は報道発表を流した警視庁サイバー犯罪対策課による「アレオレ詐欺」事案である疑いが濃厚です。
無料視聴プログラムの開発を、全部この少年の仕業にしたがっています。つまり「開発のアレやったの少年」という詐欺です。
事実、先ほど見たように、少年がどえらい開発能力の持ち主のように受け取った「ネットの声」が数多くありました。ニュース記事の文面を素直に読めば、そうなります。
便乗「アレオレ詐欺」
けれども、今回のサイバー犯罪対策課による論法が通用するなら、私も「とある10^8件単位の国家的データベースの全スキーマ変更とレコードの載せ替え、アレやったのオレ」って言えます。
むろん、実態はまったく違います。
当時大企業病を患いながら、「人がやった成果や、人に手伝ってもらって上げた成果を、」今になって「さも全部自分がやったようにアピール」しているだけです。
「」内の文言はここから取りました。
→“アレオレ詐欺”社員に募る「やられた！」感／結果重視の成果主義が生むフリーライダーとは？｜ダイヤモンドオンライン（2011/01/12付）
そして闇は、闇から闇へ
そして話が
- 少年がなぜそんなことをしたのか？
- 警察がなぜそんなことをするのか？
に至りますと、双方ともバラエティーの範疇を超えますゆえ、適宜、闇のままお引き継ぎいたします。
想定する事業継承先としては、
- ザ・ノンフィクション（フジテレビ）
- NNNドキュメント’16（日本テレビ）
- ドキュメント72時間（NHK）
などです。その他方面も含め、各位からのご連絡をお待ちしております（適当）。
実態はこんな感じ
詳らかにはわかっていませんが、少年が開発したのは、グレーゾーンで蓄積されてきた「有料デジタル放送が無料で視聴できるプログラム」群の、ほんの一端のようです。
でもって「開発した」と言えるのは、せいぜいがパソコンソフト・アプリ界隈で言うところの「○○ツール」とか「○○プラグイン」のレベルかなという認識です。
斯界では「ビルド」と呼びならわすようですが、それら一群の「無料視聴プログラム」たちに、自分が書いたコードも「ちょい乗せ」した一式を、自宅?サーバで公開していた。
というのが実態みたいです。
安心してください。入れませんよ。
純粋に技術的な側面のみを評価したとしても、今回逮捕された少年のコーディング能力程度では、あいにく日本の警察も雇いやしませんでしょうし、ましてやアメリカで引っ張りだこになるなんてこともありえません。
仮に私が技術力あるエンジニアが欲しいソフトウェア企業の経営者であっても、何かの開発プロジェクトに彼を起用することはたぶんありません。
といったことを先に述べて、説の検証に入ります。
検証VTR：無職少年（17）の能力、警察の水増し説
PUNPEEさんによるBGMはあちらの番組オリジナルですので、iTunes Storeにあった近傍の楽曲でご勘弁を。
何かが変（2014）
NORIKIYO
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かかる行為がはたして「不正」にあたるのか？ といった刑事事件上の事実認定と法的判断は検察ならびに裁判所に任せ、今回は純粋に技術的な側面から、逮捕された少年が「開発」したとされる「プログラム」のコーディング能力の検証を目指します。
すごい。事実ならね
“数百ページにわたるデジタル放送の仕組みが書かれた仕様書を読み込み、独自でプログラムを開発“タダで電話装置を自作したウォズニアックみたいな天才がいる… / “＜不正プログラム＞ＴＶ無料視聴をネット公開、少年逮捕 （毎日新聞） -…” https://t.co/q9vQlV7VZE
— 多根清史 (@bigburn) 2016年6月8日
なるほどApple立志伝に居並ぶ天才と言えるかもしれません。事実ならね。問題はそこです。
疑問の声
トレンドに出ていたキーワードを2,3追いかけていると、次のような「疑問の声」がありました。
- 仕様書だけでは実装できない
- 押収資料がしょぼい
疑問１：仕様書だけで実装できない（≒仕様書しょぼい）問題
今回のB-CASエミュレータ逮捕騒動、TL眺めてると微妙に誤解があるような。一部報道で「ARIBの仕様書を読んで実装」とかあるけれど、ARIBの仕様書だけ読んでもB-CASエミュレータは作れないのでその辺誤解がある模様。
— 茂木 和洋 (@kzmogi) 2016年6月8日
「ARIBの仕様書だけ読んでもB-CASエミュレータは作れない」んだそうです。
補足（用語の説明）：「エミュレータ」とは？
自分も用語の理解があやふやだったので、「エミュレータ」という言葉を補足説明しておきます。
ひと言で言えば、「擬似的に動作させる働きを持った何か」のことです。広辞苑「エミュレーション」を参考にしました。
実際のデジタル放送受信では、なんちゃらカードだったりチップだったり装置だったりと、ハードウェア（何かカタチある物体）が受け持つ範囲について、そこらを全部ソフトウェアが模倣（emulate）するので、エミュレータ（emulator）と呼ぶわけですね。
余談ですが、その伝でいけば、あのTENGAもマンコのエミュレータと呼べるのかもしれません。ん？シミュレータか？どっちだ？←別途検討します。
特定しましたm9：（１）仕様書「ARIB STD-B25」
上のツイート発信アカウントでの自己リプライで、仕様書の具体名が挙がっていました。
なので「ARIBの仕様をソフト化しただけで逮捕されるの？」と怯えてる人がいるとしたらそりゃ誤解だよと。「萎縮効果」として「ARIB STD-B25 仕様確認テストプログラムソースコード」の公開を停止してる私が言っても説得力はないかもしれんけど。
— 茂木 和洋 (@kzmogi) 2016年6月8日
ということで、標準規格（放送分野）一覧表｜一般社団法人 電波産業会のリンクから、ARIB STD-B25 6.5版（PDF 3.1MB）をダウンロードしてみました。
日本語での名称は「デジタル放送におけるアクセス制御方式」となっています。
Adobeリーダで開いてみると、全543ページのドキュメントでしたので、ほぼ特定できました。
警察発表のいう「仕様書」とは、この「ARIB STD-B25」のことですね、きっと。
報道で伝えられている「数百ページ」という分量に照らせば、当該仕様書単体を指しているものと考えられます。もし他の仕様書も含んでの全体を意味するなら、合計ページ数のケタが違ってきますので。
ざっくり読んでみた
ダウンロードしたARIB STD-B25「デジタル放送におけるアクセス制御方式」を、図表中心にざざっと目を通してみました。
私個人の感想を書きます。
- 何を実装するかは、わりとわかりやすいです。
- どう実装するかは、あまりわかんないです。
結論：ですからこの仕様書をどれだけ読み込んだところで、暗号化されたデータの「解析」ならともかく、エミュレータの「開発」は難しいように思います。
なぜなら、実装における「どう」は、つとめて開発者の創造性に属する事柄だからです。
現物の図表、こんな感じだった（例）
参考までに、「わかりやすい」部類だった図表を2つ転載しておきます。こんな感じでした。暗号化の仕組みと使用する関数が書いてあります。
↑MULTI2暗号（p.19）
↑暗号化の基本関数（p.20）
わかりやすい記述だと思います。実装もイメージしやすいです。「じゃあやって」と言われてもできないけど。
けれどここらの仕様に限らず、1からスクラッチで仕様を実装するとなれば、「どう」はひとえにデザイン能力の問題になってきます。
なのに、事実関係のみの報道が中心とはいえ、「独自に開発」したなら背景に必ず存在するはずの設計・デザインのニオイがまるでしてこないのは、不審点のひとつではあります。
以上、あくまで個人の感想です。なのでこれをもって「実装できない」と断定するには至りません。
結論が出ないのでこの件はここまで。
疑問２：押収資料しょぼすぎ問題
押収した書籍に関して、疑問が呈されていました。
NHKニュースの画像から押収された書籍は以下の３点だが、このレベルで不正プログラムの自作が可能なのだろうか？
WebデザイナーのためのCakePHPビューコーディング入門
よくわかるPHPの教科書
作って覚える Visual C# 2010 Express 入門— 北河拓士 KITAGAWA,Takuji (@kitagawa_takuji) 2016年6月8日
なるほど。言われてみれば、です。
ちなみに「NHKニュースの画像から」とありますが特定できたのはそっちではなく、こっちのニュース映像からみたいです。
有料放送をただで見られるプログラム開発・公開 17歳少年逮捕｜fnn-news.com（2016/06/08付）より
NHKの映像からの割り出しは難易度高かった。でも、そこはわりとどうでもいい。
特定しましたm9：（２）押収書籍
3冊特定できました。指摘のとおりでした。Amazonから書誌情報を引っぱり出しておきます。
たしかにこれは奇妙です。
あと版も微妙に古い。Visual C#は2010だし、『よくわかるPHPの教科書』も前のみたいだし。
なお【PHP5.5対応版】と銘打っての最新版はこちら。
やれんのか？
冊数といいラインナップといい、ともかく素朴な直感として、「これだけでやれんのか？」と思ってしまいます。奇妙です。
テレビ番組にたとえて言えば、「平成テレビバラエティー全集」をネットで公開していて逮捕された男の自宅から押収された資料が、ナンシー関（1962-2002）のコラム本3冊しかなかったぐらいの話ですから。
ひとつ念のため。書籍単体レベルでの質をうんぬんしているのではないです。カバレッジ（網羅性）込みでの量の問題と言いましょうか。これだけじゃ絶対足りないでしょ？と。
「平成のTVバラエティー」のたとえで続ければ、ナンシーの死後14年分はどうしたのよ？という話です。
ともかく、デザイン芸人のバイブル『コンサルタントの秘密―技術アドバイスの人間学』が説く
言葉と音楽が合っていなかったら、そこに欠けた要素がある
「不調和の洞察（The Incongruence Insight）」そのままの不協和音が聞こえてきます。
「ソフト名」がリークされてた
日経新聞の記事には配布していたソフトウェアの名称が書いてあったみたいです。
眺めた：日経「有料放送不正視聴プログラムを公開 容疑の17歳逮捕」https://t.co/am0Z7zPsLt
「自ら開発したプログラムを『FreeCAS』と称して公開し、無償でダウンロードさせていた」ということで、このキーワードで検索すれば WEB 魚拓が確認可能と。
— 茂木 和洋 (@kzmogi) 2016年6月8日
大丈夫かオイ。
書いてあった「みたい」と書いているのは、リンク先を見ると
著作権等のため、本文は表示できません。
となっていたためです（6/11閲覧）。
有料会員向けの記事なのかな。であっても、文言が日本語として意味不明なんですが。
公開当日（6/8）は読めてた気もしますが、追跡が浅すぎてもはや記憶があいまいです。警察の報道規制に引っかかったのだろうかと勘ぐりますが、根拠も弱いのでこれぐらいで。
２ちゃんねるの専用スレ（事実上）でバカにされていた（2015）
さてさて、相変わらず「Google先生」はすごいです。検索窓にソフトの名前を入れると、複合キーワードの候補をずらっと出してくれました。
その中から選んだキーワードでの検索結果で見つけた、２ちゃんねるのスレッドを2つ読みました。
そこから「ふーん」と心に引っかかった書き込みをピックアップしておきます。
まず、【完全違法】SoftCASの派生版が登場【通報推奨】 [転載禁止]©2ch.net [736414555]（2014/11/15～16）から：
これ以前出回ったものから有料の部分取り除いて
るわけね。（22）
DL先検索してみろ
NHKの天下り先だぞ
多分 （30）
ハッキングしてみた 佐賀のＯＣＮが開催してるみたい （81）
続けて、【2000年】TVTestをビルドしたスレ 4【うんコム】 [転載禁止]©2ch.net（2015/01/23～04/04）から：
こちらでは今回の少年と同一と思われる人物が、バカにされていました。
もう俺の最終ビルドはa782382だ（しかもうんこむさんのじゃない）
これ以降のはワカランわ （34）
うんこ氏が懐石スレで出してたソース。行数を調べてみた。（略）
1253 合計
コメント行は除いてみる
$ find -name \*.cs | xargs grep -v // | wc -l
887
方や、懐石スレ住人によるコードはというと、
たったの140行
これだけの行数が違うのだから、目的が異なる物かもしれません…
しかし、実際に動かしてみると同じことをするプログラムでした。
簡単な事をよくここまで複雑にと言われたの同じような理由しょうね。（41）
うんコムが増やした1113行が
誰にとって何のメリットがあるか、ご説明してくれるんですか？！
とても勉強になるなー2ちゃんやってて良かったなー！（50）
コメント抜きでも887行だよな。
140行で書ける同じプログラムが887行だぞ。
（略）
仕事でもなけりゃうんこみたいなコードに寄りたくないと思うのが普通の感覚だ（59）
基本的に、すべてを半信半疑で受け取っております。それでもなお、うっすらと見えてきた感があります。
何がどうしてどうなのか、さらに明確にするにはソースコードの現物を確かめておきたいところですが、
聴取されマスた（919）
など、かなり濃厚なグレーゾーンに分け入ってきた感がありますので萎縮効果により入手には及ばず、このあたりでひき返します。
検証結果
検証結果です。
ハロー・ミスター・モンキー（1977）
アラベスク
￥250
少年は、別人なら140行で書けるソースコードを能力不足のせいか6倍ちょいに水増した一方で、
警察は、「仕様書を読み込み、独自でプログラムを開発」と、少年があたかもすごい開発スキルの持ち主であるかのように水増しして発表していた。
とみられる。
検証としてはまったく不十分ですが、「浅追い」した結果ではこんなところです。ひとまず満足です。
「Winnyと比較」の愚
なので一部で言及されていた、Winnyとその作者である金子勇（1970-2013）になぞらえて比べるのも、月とすっぽんレベルのおこがましい話でした。
Winnyの「仕様」「設計」「実装」がつぶさに語られていた金子の著書を読めばわかります。
少年さんが、今回の「無料視聴プログラム」について、本書に並ぶ水準の「設計」および「実装」を語れる能力があるとは、私には考えづらいです。
だって根幹部分の設計なんかやってないんだもん。
参考書籍・サイト
関連して、事件のより大きな構図をつかむのに参考になる「おすすめ書籍」情報も出ていました。
前回変造B-CASが出回ったあたりの事情とか、今回の逮捕少年がB-CASエミュレータを作れた背景とかが知りたい場合は、鳥取ループ「B-CAS 事故 ‘8674422’ 2012年テレビ視聴制限崩壊の真実」( https://t.co/6kz5jqFrxB ) とかを読みましょう。
— 茂木 和洋 (@kzmogi) 2016年6月8日
一応 BlackCAS 販売からの時系列状況は網羅されていたし、技術的な解説も間違いはあまり無かったし。
— 茂木 和洋 (@kzmogi) 2016年6月8日
これですね。
現時点（6/10）では上のツイートの影響でか、在庫分が全部売れてしまったようです。
書籍化のベースになったと思われる記事がオンラインにありました。
メディアが隠す放送業界の大チョンボタダ見し放題Ｂ－ＣＡＳカードの欠陥で正直者は損をする（同和と在日2012/7）｜jigensha.info
書名にあった「8674422」の意味もわかりました。ほぉ～、そういう話なんですね。
おまけ：せめてこれぐらいの成果を
お口直しでもないですが、はるかに健全で「いいぞもっとやれ」と言えるスライド資料を埋め込んでおきます。
より
セクシー女優で学ぶ画像分類入門｜ゆとりデータサイエンティストの諸々所感（2014/09/24付）でブログになっていました。
定年組がほざきますが、「独自に開発」なのにまるで「デザイン」の音楽が聞こえてこない少年さんのケースとは、実に対照的です。
単純比較できない面も多々あるのを承知で私見を述べると、成果としては断然こちらが上回っています。よほど真実の「少年」に近いように思います。
AV女優モナリザも誰か使ってください
だそうです。使わせてもらいました。
セクシー女優で学ぶ画像分類入門（2014/09/24付）より
おバカでいいですね。
ともかくこうして、「技術バカ」と「技術を知らないバカ」との軋轢は、永遠に続くのでありましょう。
利害関係者相互の無理解による無用で無益な対立の発生は極力未然に防ぎたいところですが、当然のことながらわが対応能力にも限度があるのでした。
お金ください。
おわり
コメント
FreeCASの実際のソースコードはCoreがおよそ4000行あります
本来SoftCASにはない通電制御情報関連、EMM処理(完全なもの)などが追加されています。
またこれを作るのであれば利用側の動作も理解していないといけないので、仕様書は間違いなく読んでいるでしょう。