こんにちは。前回の記事の続きです。画像いっぱいあります。スマホの方はすみません。
戦没者追悼式の標柱に書く文言は、戦没者之「霊」なのか「霊位」なのか、実状を雑に調査しました。その報告です。
「霊」VS「霊位」、画像検索で雑な大調査
何かわかるかなと、Google で「戦没者追悼式」を画像検索してみました。
戦没者追悼式は、日本政府主催のものだけでなく、県・市など、全国の自治体が主催するものもあるのがわかりました。
そこで、戦没者之「霊」と、「霊位」とのシェアはそれぞれどれぐらいなのか、調べてみることにしました。
結果発表
以下に、画像検索結果の上位から、文言を判読できた範囲でリストにします。
おことわり
次の2点をあらかじめおことわりしておきます。
- 画像は各自治体等のサイトからの引用です。それぞれの画像には、引用元へのリンクを設定しています。当リンクをもって、引用元の出典表示に代えさせていただきます
- 各追悼式の開催年はまちまちです。当然、別の年は表記が違う可能性もあります
「霊」派が圧倒的多数
検索結果をみますと、戦没者之「霊」派が圧倒的多数を占めています。
検索結果のだいたい上位3ページ分から、日本政府、ならびに確認できた道県、市町村名は次のとおりです。
戦没者「之霊」派(順不同)
- 日本国政府
- 北海道/帯広市/函館市/羽幌町(北海道)
- 秋田県/由利本荘市(秋田県)
- 福島県
- 茨城県/下妻市/高萩市/水戸市(茨城県)
- 群馬県/桐生市/高崎市/藤岡市/みなかみ町(群馬県)
- 埼玉県/上尾市/熊谷市/坂戸市/秩父市/ふじみ野市/蕨市(埼玉県)
- 豊島区(東京都)
- 千葉県/千葉市(千葉県)
- 川崎市(神奈川県)
- 高岡市/砺波市(富山県)
- 長野県/上田市/長野市/中川村(長野県)
- 高山市(岐阜県)
- 浜松市(静岡県)
- 愛知県/小牧市/新城市/瀬戸市/田原市/豊橋市(愛知県)
- 尾鷲市/名張市/松阪市(三重県)
- 泉南市(大阪府)
- 尼崎市/伊丹市/姫路市(兵庫県)
- 奈良県/橿原市/五條市(奈良県)
- 和歌山県
- 伯耆町(鳥取県)
- 赤磐市/井原市/岡山市(岡山県)
- 光市(山口県)
- 愛媛県/西予市(愛媛県)
- 福岡県/飯塚市/糸島市/志免町(福岡県)
- 平戸市(長崎県)
- 大分県/大分市/佐伯市(大分県)
「霊位」派はわずか
一方、戦没者之「霊位」としている自治体は、きわめて少数です。
同じく、画像検索結果の上位3ページ分程度から収集できたのは、次の3例だけでした。
戦没者之「霊位」派(順不同)
天草市・上天草市・苓北町 3市町合同(熊本県)
荒尾市(熊本県)
宇城市(熊本県)
勃発!地域偏りすぎ問題
しかも、全部熊本県です。なぜに熊本?
くまモンのヒットと関係あるのでしょうか?(たぶんない)
ダークホース登場:「追悼之標」派
しかしここで、予期しない勢力が登場しました。「戦没者追悼之標」派です。この勢力、侮れません。全部で18例あります。
戦没者「追悼之標」派(順不同)
室蘭市(北海道)
「戦没者」「艦砲射撃殉難者」と連名での追悼です。
香取市(千葉県)
成田市(千葉県)
八王子市(東京都)
こちらは「戦没者」「戦災殉難者」連名での追悼です。
富士市(静岡県)
碧南市(愛知県)
みよし市(愛知県)
綾部市(京都府)
京田辺市(京都府)
京丹後市(京都府)
福知山市(京都府)
「戦没者追悼の標」と、他の「之」のところがひらがな表記です。
舞鶴市(京都府)
八幡市(京都府)
大山崎町(京都府)
茨木市(大阪府)
四条畷市(大阪府)
中津市(大分県)
八代市(熊本県)
などです。
「追悼之標」派の集団を見ていると、ひとつ顕著な特徴があります。後述します。
亜種:戦没者英霊之標
「追悼之標」派には、こんな亜種もありました。
磐梯町(福島県):「戦没者英霊之標」
追悼之標ではなく、戦没者「英霊之標」です。標を建て、英霊はここですと明示する形です。論理構造と言語表現の簡潔さに好感が持てます。
戦没者追悼式・独自派
かと思えば、以上のいずれにも属さず、独自の路線をとる自治体もあります。
舞台セット感覚?
角田市(宮城県):「戦没者英霊之塔」
行方市(茨城県):「戦没殉難者之碑」
式典のためにしつらえて終了後に撤去するような一時的な設備は、「塔」や「碑」ではないと思うのですが。寸劇の舞台セットでも作る感覚なのでしょうか。
美川憲一さんか吉幾三さんあたりが、歌謡ショーの第一部で「塔」や「碑」の周りで小芝居をやっているイメージが、頭から離れません。
ライブ感覚?
東京都:「鎮魂」
なんか、長渕剛さんが新曲で出しそうです。
浮上した謎:「戦没者追悼之標」派に、なぜ京都府の自治体が多いのか?
お気づきになった方はいるでしょうか。集めてみると「戦没者追悼之標」派に、なぜか京都府下の自治体が多いのです。18例中7例がそうでした。
集めていて、「オイまた京都キタコレ」と笑ってしまいました。なんなんでしょうかこれは。
別の記事にて、考察を進めることとします。
つづく。
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