こんにちは。デザイン芸人「デザインや」です。
「人をほめるなら、生きてるうちに」を実践する記事でございます。
この記事では、東京都議会の吉田信夫議員を称えます。
残らず数えると全部で80万とも800万とも(私に)いわれる日本の闇社会。
吉田さんが議員活動のなかで照らそうとしているのは、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会にまつわる闇です。
吉田信夫さんを勝手に称える件
オリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会の記録|東京都議会
にリストアップされている速記録を拾い読みしていて、吉田信夫さんを知りました。この特別委員会の理事を務められています。
イイ質問ですね
というのも吉田さん、この委員会で都を相手に池上彰さんばりのいい質問をされてるんですよね。
ん? 池上さんは質問しねーか。
しかし闇は深い
しかしながら闇を照らそうとする吉田さんを、答弁する都のお役人がまあ~さえぎるさえぎる。
そんなわけで、闇は闇にとどまるのが大好きで、なかなか明るみに出てこないのであります。
このあたり、詳しくはいつかまた別の機会に。
東京五輪に潜む闇を照らすお仕事
まだ全体を読み切っておりませんが、取り急ぎ次の2つの議事録から、五輪の闇社会を照らし出そうと努める吉田信夫さんの仕事を称えておきます。
ここで吉田さんが光を向ける2つの闇は、
- 電通の闇
- JSCの闇
なのであります。
1.電通の闇
で吉田信夫さんが照らすのは、招致活動にまつわる電通の闇です。
吉田さんは、当委員会2番目の質問者でした。※下線は引用者
二〇二〇年オリンピック・パラリンピック招致活動について、とりわけ電通とのかかわり、前回招致活動での電通からの借入金返済問題を中心に質問いたします。
改めて確認しますけれども、なぜ招致委員会は、電通に対し六億九千万円の負債、借り入れを抱えてスタートすることになったのかご説明をお願いいたします。
など、この速記録には、吉田さんの質疑をはじめとして「電通」の文字が全部で50回出てきます。
昨今はマスメディアの「電通隠し」もまことしやかにささやかれるなか、トップクラスの「電通晒し」ドキュメントです。
どれもこれもはじめて知る話で、頭の整理が大変です。
とはいえ都議会の議事録レベルでは、2014年6月の時点で周知の事実だったのですね。乗っかるのが遅くてすまん。
東京都と電通の金銭の貸し借りがややこしすぎる件
都と電通との間の金銭貸借関係は、質疑応答を一読しただけでは理解できないほど、ずぶずぶで不可解でした。
東京都側の答弁からです。
先ほどお話のありました借り入れについてですけれども、この借り入れは招致委員会が電通に対して支払うべき債務の繰り延べという形の性格でございますので、銀行からの借り入れとかと比較して不適切なものというふうにおっしゃるのは、当たらないのかなと思っております。
(延與桂 オリンピック・パラリンピック準備局大会準備部長)
あとの延與部長の答弁は省略。
両者の蜜月ぶりは、嫁と私の間柄さながらです。
思い出したぞ。嫁、くり延べくり延べで後回しの9万円、早く返せ。
2.JSCの闇
で吉田信夫さんが照らすのは、新国立競技場にまつわる闇です。ここでの闇の組織はJSC(Japan Sports Council, 日本スポーツ振興センター)です。
〇吉田委員 私は、都有財産の取り扱いに関する報告の中で、新国立競技場用地の無償貸付について質問いたします
と始まる一連の質疑応答の記録には、東京都民ならむろんのこと、都民でなくても白目むいてぶっ倒れそうな話が、実にさらっと書いてありました。
基礎情報:一部都の土地だった
国立競技場用地の一部は、東京都の土地なのですね。初耳でした。
西側の敷地など一部のみ、地権者は東京都
とするWikipedia:新国立競技場の脚注経由で知りました。
Webアーカイブ > 神宮外苑地区都市計画の全貌(2) (2014/08/19付)から整理します。
現在の土地所有者は
- (独)日本スポーツ振興センター(JSC)
- 財務省(青年館・都営住宅の一部)
- 東京都(公園・都営住宅等)
- 新宿区(区道、明治公園内等)
- 渋谷区(明治公園内等)
- 明治神宮外苑
- 外苑ハウス
- 伊藤忠商事(株)
- 三井不動産(株)
- (財)高度技術社会推進協会(TEPIA)
- 日本オラクル(株)
で構成されるそうです。ソースは、
東京都への情報公開請求で取得した『東京都市計画神宮外苑地区 地区計画企画提案書』(2012年12月原案で、13年6月の都市計画決定後に修正されたもの
(同)
とのことです。
「意味不明な長期無償貸与」の闇
ここではハイライトだけ。強調・下線は引用者です。
〇吉田委員 予備的な調査の上に、さらにより正確な土地鑑定評価委託まで、(略)適切な賃料を算定するという取り組みをしてきたわけですよね。
その鑑定結果が年間で計算すれば六億六千万円ということになりますから、これを五年間で計算すれば三十三億円、
それだけのいわば財政支援をJSCにするということにもいえるというふうに思います。それをなぜ無償にしたのか。先ほどの説明では私は納得できません。
同じく。マジで、意味わからん。
立候補ファイルで、IOCに対して、国及び地方公共団体の施設は大会期間中は無償で貸しますよということは、はるか何年も前から既に約束していることではありませんか。
「大会期間中は」、無償で貸すという話が、なぜか「5年間」になってしまっています。
意味わからん。
本来ならば、土地の所有権移転ということが行われれば、この貸し付けを無償にするかしないかという選択そのものが、そもそも必要ないわけですよね。なぜ所有権移転ではなく貸し付けということになったのか、その点についてご答弁をお願いします。
ほんとそのとおりです。
いま適正な評価額で売却すれば、それで解決じゃんよ。
ますます意味不明な答弁を見たい方はこちらへ。
- オリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会速記録第三十一号|東京都議会(2016/01/26付)
説明してね→意味わからん。「ラッスンゴレライ」闇だらけ
吉田信夫さんの関与しない質疑からですが、この流れでもう少し書いておきます。同日の記事録には、ほかにも闇の話が満載です。
どれも「言われましても意味わからん」な、とんだラッスンゴレライ案件なのであります。
画像は、鶴見菜美子 8.6秒バズーカー、「スタートダッシュでスタミナ切れ」を猛省|RBB TODAY(2015/12/09付)より
ラッスンゴレライ1:IOC
たとえば、味スタ(味の素スタジアム)のネーミングライツについて。
二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックが開催されることになり、このスタジアムがサッカーと近代五種、ラグビーの会場として指定をされておりますが、二〇一九年三月以降について、再び命名契約が更新される場合でも、大会中はIOCにより、オリンピックの公式スポンサー以外の企業名は排除されるため、命名権が一時的に廃止されることになりまして、現在の契約ベースでは年間二億円を失うということになるわけであります。
(石川良一委員)
意味わからん。
ラッスンゴレライ2:OCOG
たとえば、都が提供する予定の駐車場用地についての回答。
組織委員会が運営する予定の駐車場は、大会関係車両に用いるものでございまして、駐車料金を徴収するものではございませんことから、収益も想定してございません。
(花井徹夫 オリンピック・パラリンピック準備局施設輸送担当部長)
「ちょっと待ってちょっと待ってお兄さん」ですよマジで。
東京五輪の組織委員会(OCOG)と胴元のIOCと、闇まみれでございます。
政治は難しい
さて、デザイン芸人が勝手にいい仕事をすると称える吉田信夫さんですが、個人サイトのプロフィールによると
97年~都議会議員(5期)
日本共産党都議団団長
とのこと。
でもって、めぼしい範囲には明記されていなかったのですが、事務所が高円寺にある点からすると、杉並選挙区選出であるようです。
以前自分も杉並区に住んでいたことがあり、これを見ると吉田さんの任期とも重なっています。
ごめん、でも投票した覚えはないなー。
yoshida-nobuo.jp のデザインはこんな感じです。
画面幅でレイアウトが変わるレスポンシブ対応は素敵な加点要素でしたが、ぶっちゃけ、ふだんこのサイトの斜め読みもできるかできないか程度に忙しかったら、優先的には投票しないと思う。
正直、すまん。
政治は難しい。
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