こんにちは。デザイン芸人が、デザインと関係のない話に首を突っ込みます。
異議あり!な有名人の発言をいじって遊ぶ逆転デザイン芸です。
要約:Executive Summary
北村晴男さんがTwitterで公然と差別発言をしていました。きっと、サザンオールスターズばかり聴いてきたせいです(適当)。
北村晴男さんの病理を改善すべく、常用されているサザンオールスターズに代えて、こちらでブルーハーツを処方してみました。
プロローグ:TRAIN-TRAIN
要はこういう話です。
弱い者たちが夕暮れ
さらに弱い者をたたく
その音が響きわたれば
ブルースは加速していく
プロローグ〜TRAIN-TRAIN (リマスター・バージョン)(1988)
THE BLUE HEARTS
¥250
論点を整理してみると、とっくの昔にこの歌で全部言われてしまっていました。
見えない自由がほしくて
見えない銃を撃ちまくる
と、ここでやりたかったことも先回りされてた、みたいな話でして。
本当の声を聞かせておくれよ
というわけで、北村弁護士の声をお待ちしております。
以上趣旨説明でした。
いろいろと前置き2つ3つ
本題に入る前に、まずは次の2点を前置きとしてふまえていただきますと捗ります。
「差別の装置」としての生活保護制度
この社会には、いろいろな「差別の装置」があります。いわゆる「生存権」と呼ばれる、日本国憲法第25条が謳った「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」、この具現化を目指して整備されたはずの生活保護制度も、社会的にはむしろ「差別の装置」として機能していることで是認されているのが現状です。
「弁護士あるある」で遊んだ
ある日、放送界と法曹界の両方にやたら詳しい嫁と、「弁護士あるある」を言い合って遊んでいました。
こんな感じです。
- 左ハンドル乗りがち
- 都合の悪い電話、ガチャ切りしがち
- 久保利先生が、むしろ総会屋になりがち
「あるある」で名指しの悪口はやめなさい。
- 行列できがち
- 小田急線と千代田線で目撃されがち
- 立川に事務所開きがち
- やたら《希望の轍》歌いがち
希望の轍(1990)
稲村オーケストラ
¥250
- 無名プロゴルファーと無名写真詐欺タレント溺愛しがち
だから特定の人の悪口はやめなさいと。
【参考資料】厚生労働省の資料が充実しすぎていて震える
また、今回記事の作成にあたってネットを探してみると、厚生労働省のサイトにあった各種資料が充実していました。
憲法25条と生活保護法の関係については、ナショナルミニマム研究会(第4回)(2010/01/27開催)資料の
- ナショナルミニマムに関する議論の参考資料(PDF)を、
被保護者の義務と保護の実施機関の関係については、社会・援護局関係主管課長会議資料について(2014/03/03 開催) から、
- (2)保護課(説明資料1)「生活保護法の一部を改正する法律について」(PDF)
- (4)保護課(文章編資料)(PDF)
を、それぞれ参照させてもらいました。さすがナマポ界のトップ。
資料完成に至るまでの膨大な労力がしのばれ、つい「アホちゃうか」と口走ってしまったほどの充実ぶりでした。謝意を表します。当分の間、疑義が生じればここらの会議資料集をあたれば事足りそうです。ありがたいことです。
ということでようやく本題に入ります。
これはひどい!北村弁護士の差別発言
生活保護制度という名の「差別の装置」に北村晴男弁護士が乗っかっているツイートをひとつ見つけてしまいました。こちらです。
生活保護受給者がパチンコ.競輪をした場合、別府市はやめるよう指導の上、従わない場合は生活保護費支給を停止してきた。これに対し、国と県は不適切と指導。国と県は間違っている!生活保護法は「受給者が節約義務に違反したときは支給を停止出来る」旨定めている。税金でギャンブルをさせる国。
— 北村晴男 (@kitamuraharuo) 2016年3月18日
これはひどい。ひどすぎる差別意識の発露です。
当記事では個別にあげつらいませんけれども、このツイートへの反応を見れば、生活保護制度が受給者への「差別の装置」として大きな役割を果たしていることが実感できるかと思います。
なんやかんやであまりにひどいので、公開質問状の形式でツッコミを入れておきます。
そんなはいすくーる落書です。
北村晴男さんへの質問事項
最初に論点としない部分を取り除き、残りの文面を分解して順に反駁する形で進めます。
(ここは異存なし)
報道等から知る限り、ここらの事実関係の認識に差はありません。
- 生活保護受給者がパチンコ.競輪をした場合、別府市はやめるよう指導の上、従わない場合は生活保護費支給を停止してきた。
- これに対し、国と県は不適切と指導。
問題なのはその先です。
ここがヘンだよ北村晴男さん
反対尋問の形式でそれぞれ疑問を呈しておきます。
その1
北村
国と県は間違っている!
デザイン芸人
なぜですか?
指導は間違いだという趣旨でしょうか?
本件で国と大分県が「不適切」と別府市に指導した根拠は、
被保護者[補注 ナマポ]は、正当な理由がなければ、既に決定された保護を、不利益に変更されることがない。
と定めた生活保護法第56条に違反する恐れがあるから。そう理解していますが、違うのでしょうか?
その2
北村
生活保護法は「受給者が節約義務に違反したときは支給を停止出来る」旨定めている。
デザイン芸人
別府市の措置は「正当な理由がある」という主張と承りましたが、不思議な話です。
受給者がパチンコや競輪に生活保護費を使ったら「節約義務に違反した」ことになるのですか?
だとするなら、それはなぜですか?
補足コメント
法的事実の問題としては、大筋で異論ありません。
生活保護法の第60条、62条の両規定をまとめれば、「受給者が節約義務に違反したときは支給を停止出来る」と記述していいとは思います。
問題としたいのは運用の適法性です。
その3
北村
税金でギャンブルをさせる国。
デザイン芸人
本件って、国が税金で受給者にギャンブルを「させた」事案なんですか?
受給者が自ら「した」じゃなくて?
もうひと言
あと「税金でギャンブルを開く国」については、どのようにお考えですか?
北村弁護士版・法の下の不平等
一方で、プロフィール欄に「趣味はゴルフと野球」と書き、スポーツ好きを公言する北村さんは、こんなツイートも出しています。
北村
バドミントンの桃田選手は確かに軽率だった。しかし、違法カジノが暴力団の資金源になっている、だからそこに出入りしたら大切な大会に出られなくなる程に社会的に許されない事だ、とは誰からも教わっていない。スポーツ馬鹿が、そこまで悪いのか?チャンスをあげようよ!!
— 北村晴男 (@kitamuraharuo) 2016年4月8日
デザイン芸人
なるほど。だったら平等な資格でこうも言えますね。
パチンコや競輪にお金を使った別府市の受給者(ナマポ)は確かに軽率だった。しかし、合法カジノが国営暴力団の資金源になっている、だからそこに出入りしたら「差別の装置」を運営する彼ら闇の組織とその構成団体員から監視対象にマークされる程に社会的に許されない事だ、とは誰からも教わっていない。ナマポ馬鹿が、そこまで悪いのか?チャンスをあげようよ!!
北村晴男さんは、スポーツ馬鹿にはチャンスをあげようと訴える一方で、ナマポ馬鹿にはチャンスをあげず、むしろ奪えと主張している。
なんで?
そう結論づけてよろしいでしょうか?
まとめ:ゲスすぎる「家庭的弱者」説
まとめの形で、最後にゲスすぎる決め打ち質問をひとつ。
弁護士業務のかたわらテレビタレントとしても活躍されている北村晴男さんのような人物は、一般に社会的弱者とはみなされません。
にもかかわらず、本件での北村さんは「弱い者たちがさらに弱い者を叩く」構図に、率先して加わっているように私には見えます。なぜなんでしょうか? そこが腑に落ちません。
「心の闇」というと陳腐ですが、何か北村さんの抱える個別特殊な事情があるゆえなのかもしれません。
たとえば…「社会的」以外のどこかで、北村さんもまた弱い者だから?
たとえば…家庭的に?
あわせて見解をお答えいただければ幸いです。
みたいな社会的発言はどうでもよろし。
♪本当の声を聞かせておくれよ~(カバーバージョン)
TRAIN-TRAIN
10-FEET
¥250
どこまでも~
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