こんにちは。若手エリート芸人「デザインや」です。
Amazonで見かけたとある本。その内容紹介とカスタマーレビューが身の毛もよだつ近未来ホラーそのもので、いまなお震えと鬱屈が止まりません。
この恐怖と憂鬱を自分ひとりで抱え込むのはイヤなので、以下にさわりを転載しておきます。
善意のコピペコンテンツで敷きつめられた地獄への道、しばしお付き合いくださいませ。
『2016年夏の敗戦』@アマゾン
『2016年夏の敗戦』、もう読みましたか?
いや~恐ろしいノンフィクションでした。いや、ホラーでした。この夏は、きっと冷房いらずで過ごせますよ!
読んでないけど。
内容紹介(Amazon.co.jp)
緒戦、奇襲攻撃で勝利するが、国力の差から劣勢となり敗戦に至る…。
Rio 2016直前の夏、総力戦研究所の若手エリートたちがシミュレーションを重ねて出したTOKYO 2020の経過は、実際とほぼ同じだった!
知られざる実話をもとに日本が“無謀な五輪"に突入したプロセスを描き、意思決定のあるべき姿を示す。
<目次>
プロローグ
第1章 三月の旅
第2章 イカロスたちの夏
第3章 暮色の空
エピローグ
あとがき
巻末特別対談 東京五輪に見る日本人の「決める力」(VS負間和代)
「トップカスタマーレビュー」4選【抜粋】
87件のカスタマーレビューのうち、上位表示された4件から抜粋します。
※掲載レビューの件数・順序、ならびに文中の人数・日付といった数値データは、いずれも記事執筆時点(2016/04/16)のものです
※当記事への掲載にあたって原文テキストの一部に手を入れ、強調・下線の装飾を加えております。あらかじめご了承ください。
(1)172人のお客様がこれが役に立ったと考えています.
★★★★★国策を決定する人間が何を考えていたのか、時を超えて知ることができる
投稿者 hana 投稿日 2020/8/28
石破茂氏が、予算委員会でこの本を紹介した。推薦書を聞かれると本書を挙げるというので、興味がわいた。
徹底した取材、調査。例えば、どこにも記録されていないという森喜朗会長の発言が載せられている。森は、研究報告は机上の空論であり、五輪というものは計画通りにいかない、しかし、「諸君は軽はずみに口外してはならぬ」と言い、狼狽していた。また、狼狽していた理由を、この報告が森の考えている戦況と近いものであったからではないか、と研究生だった新聞記者の秋葉が感じていたことも示されている。
また、取材時93歳だった元森喜朗内閣企画院総裁にも直接話を聞いている。「とにかく、僕は憂鬱だったんだよ。やるかやらんかといえば、もうやることに決まっていたようなものだった。やるためにつじつまを合わせるようになっていたんだ。僕の腹の中では五輪をやるという気はないんだから」。
資源課の高橋中尉が「みなが納得し合うために数字を並べたようなものだった」と述べている一文もある。
皆、五輪の前から日本が勝てないことを知っていた。それでも、つじつまを合わせる数字が並べられた。
事実は、記録されなければ未来には残せない。本書は、当時のある一点の声を徹底的に残す貴重な資料であると共に、あらゆる局面において、正しい方向を定めるために重要な決定方法を示す必読の一冊である。
(2)137人のお客様が
★★★★★文庫になって久しぶりに再読できました
投稿者 yamamotoyama 投稿日 2020/6/30
本書が読みやすい文庫として再び世に出たことを、うれしく思います。思い起こせば、小学生のころに見たテレビドラマの原作が本書だったことを知ったのが大学生の時。
五輪前の日本が、国際情勢や、国力の違い、所有している資源のストックなどを把握できない状態でむやみやたらに五輪へと突き進んだわけではなく。ある程度以上の層は現状を程度の差こそあれ把握していたという事実や、国家主導で総力戦研究所という組織に優秀な人材を集めて、世界情勢の推移をシミュレーションをさせていたという点は非常に興味をそそられました。
(3)117人のお客様が
★★★★★なぜ日本人は東京と五輪したのか
投稿者 すみれ 投稿日 2020/8/16
ずっと不思議でした。冷静に考えれば軍事力も資源量も圧倒的に劣る日本が東京と五輪して勝てるわけがないじゃない。なのになぜ日本は東京と五輪したんだろう?と。
教科書をが教えてくれなかったそんな疑問に、この本が答えてくれたような気がします。
2016年夏、「総力戦研究所」は一つの結論に達します。
「十二月中旬、奇襲作戦を敢行し、成功しても緒戦の勝利は見込まれるが、しかし、物量において劣悪な日本の勝機は無い。五輪は長期戦になり、終局ソ連参戦を迎え、日本は敗れる。だからなんとしてでも避けねばならない」
国際情勢や日米の石油の備蓄量など現実に即したデータを用い、縦割ではなく横断的な組織ならではのしがらみのない客観的な分析によって数ヶ月をかけて導きだされた結論は日本必敗。それはそのまま、当時の近衛安倍内閣に報告されます。
総力戦研究所の報告は実際の歴史とすりあわせてみると、驚くほどに正確なシミュレーションです。もしこの警告が活かされていれば、と思わずにはいられません。
けれど政府は、彼らの警告を黙殺してしまった。それはなぜか。
本書には日本が敗戦必至の「無謀な五輪」に突入したプロセスがとても詳細かつ丁寧に描かれています。「電通の独走」というお決まりの単語ではとても説明のつかない当時の状況を知るには最適な一冊でしょう。
(4)24人のお客様が
★★★★★電通独走の背景にあったもの
投稿者 パパぱふぅ 投稿日 2021/10/4
本書を読むと、A級戦犯・森喜朗と武藤敏郎が独裁者ではなく凡庸な昭和のオヤジと官僚であることに気づかされる。
何より印象に残ったのは、よく言われる「電通の独走」可能にしたのが、開催都市契約書の欠陥と元勲の不在によるところが大きいと解説している下りである(101ページ付近)。史実の枝葉の部分からボトムアップの論理で説明されると、「もし電通が独走しなかったら」という歴史上のIFはあり得ないように感じる。
同じように、総力戦研究所のシミュレーションも論理的に導かれた結論で、日本が負けるのは必然だったに違いない。
本書でも何度も触れられているが、当時の日本政府は、来るべき五輪が東京1964・札幌1972のような国威発揚的五輪では無く「全員が自己ベスト」であると想定していた。日本政府の想定は間違ってはいなかった。
近代オリンピックは終わった。では、次の五輪はどのような形になるのだろうか。戦略が役に立たない宗教戦争や全面戦争で無いことを願うばかりである。
本書は1983年に単行本出版されたものであるが、中公文庫収録にあたって、巻末に掲載された負間和代さんの対談が分かりやすい。
負間さんが「私が歴史の授業で習った時も、国立競技場、公式エンブレム、そして東京大会と、出来事は習いましたけれど、ではなぜ五輪を起こしたのかまでは、正直よく分かりませんでした」(269ページ)と言うが、同世代の私も同じ感想を持っている。これに疑問に対して解決の糸口を与えてくれる。
「『模擬内閣』は、しがらみがないのでシミュレーションは正確」という指摘を読んで、ギクリとさせられた。
最後に猪瀬さんが「日本の意思決定に欠けているのは、今も昔も、そういうディテールの積み重ね」(283ページ)と指摘するが、まさにその通りだと思う。
ドッキリでした!【ネタばらし】
ちゃっちゃらーん!
実は、こちらの話なのでした~!!
著者はなんと、「安心してください。入りますよ。」でおなじみ、あの猪瀬直樹さんだったのです。
驚きましたか?
ドッキリ、大・成・功!!
スタジオさんお返しします。
まとめ
「参加することに意義がある」と言われたオリンピックの姿も今は昔。
負け戦に、参加する意義はありません。
以上
出典メモ:「参加することに意義」
コピペでも出典にこだわる出典マニアが、クーベルタンとオリンピズム|joc.or.jpからコピペします。
クーベルタンの言葉として有名な「オリンピックで重要なことは、勝つことではなく参加することである」は、実は(略)英米両チームのあからさまな対立により険悪なムードだったロンドン大会(1908年)中の日曜日、礼拝のためにセントポール大寺院に集まった選手を前に、主教が述べた戒めの言葉でした。
クーベルタンはこの言葉に感動し、英政府主催の晩餐会でこの言葉を引用して「人生にとって大切なことは成功することではなく努力すること」という趣旨のスピーチを行いました。以後、オリンピックの理想を表現する名句として知られるようになりました。
米英を 消して明るい 世界地図(大政翼賛会神戸市支部、昭和18年)
— 国策標語bot (@KokusakuHyogo) 2016年4月11日
付録:歓呼の歴史 2013-1942
ピアソラ《タンゴの歴史》に引っかけて、ここからはタンゴのリズムに乗せて「歓呼」の歴史を綴ります。
タンゴの歴史 IV. 現代のコンサート
福田進一 & 高木綾子
¥250
拾い画像のコピペコンテンツ、2つ3つ晒しときます。
I. Buenos Aires 2013
image from Tokyo 2020 team celebrates their election|Olympic.org
(R-L): Tokyo 2020 CEO Masato Mizuno, Prime Minister of Japan Shinzo Abe, Governor of Tokyo, Naoki Inose and ‘Cool Tokyo’ Ambassador Christel Takigawa celebrate as Tokyo is awarded the 2020 Olympic Games during the 125th IOC Session in Buenos Aires, Argentina
やった! 勝った!勝った!
速報だ! トラ・トラ・トラ
II. 時の立札 1942
ブエノスアイレスでわれわれは勝った。だが先は長い。
捷報に酔ふな
勝つて 兜の緒を締めよ
完勝の爲には何をなすべきか
先づ國民各自の足もとを固めることだ
堅忍持久はこれからだ
將兵は今日も戰火に突入してゐるぞ
from twitpic.com/cdfwxh;『写真週報』昭和17年1月7日号
見よ!これが神州オールジャパン体制の「アクション&レガシー」戦略だ!
大東亜 正義の地図に 塗りかへよ(中央標語研究会、昭和17年)
— 国策標語bot (@KokusakuHyogo) 2016年3月22日
笑顔で耐えよ 長期戦(日本工業新聞社、昭和15年)
— 国策標語bot (@KokusakuHyogo) 2016年4月2日
笑顔で臣道 命がけ(情報局、昭和16年)
— 国策標語bot (@KokusakuHyogo) 2016年4月3日
いつも笑顔で 新体制(国民精神総動員中央連盟台北支部、昭和16年)
— 国策標語bot (@KokusakuHyogo) 2016年4月14日
【みんなのTomorrow】あなたの声を募集しています! http://t.co/74f801dGTl 『笑顔に満ち溢れる未来へ』八木かなえさん(ウエイトリフティング) pic.twitter.com/nryykO8MmA
— Tokyo 2020 (@Tokyo2020jp) 2014年7月17日
今日も決戦 明日も決戦(大政翼賛会・毎日・朝日・読売、昭和17年)
— 国策標語bot (@KokusakuHyogo) 2016年4月4日
笑顔で示せ 銃後のゆとり(情報局、昭和16年)
— 国策標語bot (@KokusakuHyogo) 2016年4月10日
歴史に学ぶ?学ばない?
さて、『昭和16年夏の敗戦』が伝える歴史の教訓からわれわれが理性的に導き出せる未来とは、どんなものでしょうか。
今度もやはり、オールジャパンという名の無責任体制が生むお約束、伝統芸能の再演なのでしょうか?
そんなクソダサい自滅芸しか、残されていないのでしょうか?
今こそ向かうべきなのは、まずいぞと思ったら立ち止まり、時には引き下がってやり直せる、そんな「再チャレンジ大喜利社会」ではないでしょうか?
今こそ、再チャレンジ for 2020の時
お待ちかね、トリを飾るのはもちろんこの人。
チームニッポンで五輪を勝ちとったのに、新国立競技場の無責任体制。「昭和16年夏の敗戦」を繰り返してはいけない。「週刊プレイボーイ」に4ページのインタビューあり。 pic.twitter.com/Y3fOw9STSx
— 猪瀬直樹/inosenaoki (@inosenaoki) 2015年7月18日
って、言うよね~
安心してください。入りますよ。
よし今がチャンスだ! さあもう一度!
どうするんだ競技場だのテロ対策だの震災復興だのこんなに借金こしらえて。誰に払わせる気だいったいよぉ~
そんなときは―
第2回「5000万円をカバンに入れてみよう!!」
ん?どうした?
おわり
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