こんにちは。リライト芸が一部で好評だったのでそっち路線でまた書きます。
この記事では、エドガー・H・シャインさんの『人を助けるとはどういうことか』から、記事タイトルに挙げた
- 支援関係の7原則
- プロセス・コンサルテーションの10原則
の2件をリライトします。
本書全般に言えるのですが、組織心理学の知見を日常生活にフィードバックさせた好著なのに、訳文があまりイケてません。そのためお勧めもしにくいです。
というわけで文意を変えない範囲で書き換えることにしました。
支援関係の7原則
ひとつめは、第9章「支援関係における7つの原則とコツ」からです。
効果的な支援が生じるのは
- 双方が準備できているとき(原則1)
- 関係が公平であるとき(原則2)
- 支援者の役割が適切であるとき(原則3)
また、
- 問題のオーナー(当事者)はクライアント(支援される側)である(原則6)
- 純粋な問いかけから効果的な支援は始まる(原則5)
- 言動すべてが介入であり、人間関係の今後を決定づける(原則4)
最後に
- あらゆる答えを手にすることなど、ありえない(原則7)
PRINCIPLES
「7つの原則」原文を書き写しておきます。並び順を合わせました。
Effective Help Occurs When…
- 1: Both Giver and Receiver Are Ready
- 2: the Helping Relationship Is Perceived to Be Equitable
- 3: the Helper Is in the Proper Helping Role
And also
- 6: It Is the Client Who Owns the Problem
- 5: Effective Helping Starts with Pure Inquiry
- 4: Everything You Say or Do Is an Intervention that Determines the Future of the Relationship
Finally
- 7: You Never Have All the Answers
最後はウィトゲンシュタイン風に「手に入らない答えには沈黙するしかない」といきたかったのですが、アレンジしすぎているので思いとどまりました。同じ「7」ですけどね。
元のテキストの出典はこちらです。
書籍版ではpp.147-156です。コツ(Tips)のリライトは、なし。
プロセス・コンサルテーションの10原則
もうひとつは、巻末(pp.286-287)の「プロセス・コンサルテーション10の原則」です。原書とは別のどこかから持ってきた、邦訳版オリジナルのコンテンツです。
「プロセス・コンサルテーション」というのは、プロセス、すなわち支援の「過程」に注目し、問題を抱える相手に寄り添いながら解決に向かう手法と理解しています。
併記されている原文はそのままに、日本語の言い回しをとがらせてみました
- 常に人の役に立とうとする。
Always try to be helpful. - 今ここの現実に、必ず軸足を置いておく。
Always stay in touch with the current reality. - 自分の無知と向き合う。
Access your ignorance. - 行動はみな介入である。
Everything you do is intervention. - 問題も解決も、当事者はクライアントである。
It is the client who owns the problem and solution. - 流れに任せる。
Go with the flow. - タイミング超大事。
Timing is crucial. - 対立しあう介入を、前向きに都合良くとらえる。
Be constructively opportunistic with confrontive interventions. - すべてがデータ。間違いは常に起こり、最高の学習材料となる。
Everything is data; Errors will always occur and are the prime source for learning. - 疑問があるときは、問題を分かち合う。
When in doubt, share the problem.
こんな感じです。
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