こんにちは。デザイン芸人「デザインや」です。
この記事で言いたいこと
明治時代のデザイン画集「なるみかた」は、まるでデザイン芸人の「ことりっぷ」シリーズです。見ているとしばしトリップできます。
復刻版も市販されていますが、オンラインなら国立国会図書館のデジタルコレクションで楽しめます。
出会いのきっかけ
このあいだ、デザイン書の棚でこんな本を見つけました。文庫サイズで、上下シリーズになっていました。
ぱらぱらとめくって、危険なパターンだったのでじっくり目を通すのはやめました。そのまま「持っていかれる」パターンだったからです。下手をすると帰ってこられなくなるやつです。
「なるみかた」を復刻したものだそうです。
「なるみかた」とは
ひと言で言えば、小田切春江という人が社寺等に残る文様を模写した明治時代のデザインスケッチ集です。
発行は、明治16年(1883年)(略)、全5冊、木版刷りの本です。
など、こちらのサイトに少しだけ説明がありました。
- 明治時代のデザイン本「奈留美加多」なるみかた|猫司書の図書館資料探し(2010/11/01付)
「うっひょぇー」本
頁をめくるたび「うはー」「うへー」「うっひゃー」とか、そんな感じの声ばかり出てくる本でした。
「なるみかた」コレクション@国立国会図書館
国立国会図書館デジタルコレクションで「なるみかた」検索すれば全部出てきますが、リンクを張っておきます。
「原典」と思われる版がこちらです。
- なるみかた. 1、2(1883)
- なるみかた. 3−5(1883)
- なるみかた. 續編 上(1907)
- なるみかた. 續編 中(1907)
- なるみかた. 續編 下(1907)
ただ、正編の「1、2」「3-5」については、後年に吉川弘文館の創業者「吉川半七」名義で出されているこちらの方が、デジタル化の具合がいいです。
付記:漢字表記について
漢字は当て字のようです。
上記のインデックスは「奈留美加多」で統一されていますが、各巻で違いました。一部変体仮名と区別がつきづらいですが、こんな感じです。
- 奈留美加多
- 南流微鵝た
- 難類彌家多
- 鳴海賀太
- 奈留みかた
「なるみかた」の好きな文様
どれもいいですが、なかでも植物の文様に心奪われました。私が好きなのはこれです。
古堆朱香盒彫文 なるみかた. 續編 上(1907) 13/32コマ より
ここへ通じる美を感じます。
花椿マーク|shiseidogroup.jpより
パクリ疑惑?
例の件で何かと過敏になっている昨今、パクリ疑惑も見つけました。
こちらは鏡に施された文様のスケッチらしいのですが、
なるみかた.3-5(1883) 27/93コマより
こいつに完全にパクられています。
のっけてみました。
違和感ないです。
まとめ
「なるみかた」は、デザイン芸人にとっての「ことりっぷ」シリーズでした。
「ことりっぷ」シリーズが「働く女性たちが週末に行く、2泊3日の小さな旅を提案するガイドブック」(MAPPLE.co.jp より)であるように、「なるみかた」シリーズは、働かないデザイン芸人が終末期に「ことりっぷ=小さな旅」できるガイドブックでした。
おわり
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