サッカー日本代表、本田圭佑です(ウソ)。
昭和以前の新聞には一度も出てこない。
これ何かわかります?
「伸びしろ」 ですね~
この記事で言いたいこと
- 「伸びしろ」が一般的な日本語になったのは、ここ20年のことです。
- 新聞紙面での「伸びしろ」の登場頻度は年々着実に増え、2015年現在、およそ3日に1回のペースとなっています。
- 本田圭佑選手が「伸びしろ」を使い始めたのは、2011年からです。
伸びしろですね~
「伸びしろ」の新聞初出
「伸びしろ」が初めて新聞に登場したのは、調査した各紙で次のとおりです。
- 読売新聞:1995年11月26日付
- 毎日新聞:1996年
- 朝日新聞:1998年(AERA6/8付, 本紙12/19付)
出典
ヨミダス歴史館(読売)、聞蔵II(朝日)の検索結果、ならびに次のツイート(毎日)に拠ります。
【98%読めた】伸び代(のびしろ)⇒まだ成長する余地があること。大辞泉第2版(2012年11月)によると、2005年前後からスポーツ界で使われ多方面に広がったという。毎日新聞のデータベースでは1996年の「声の伸びしろ」という例が最も早い例。
— 毎日新聞・校閲グループ (@mainichi_kotoba) 2015, 2月 16
なお当記事におけるデータは、「伸びしろ」表記のほか、「伸び代」「のびしろ」も含めております。
対決!「伸びしろ」vs.「本田圭佑」
さて、「伸びしろ」と言えば本田圭佑選手、本田選手と言えば「伸びしろ」です。
読売新聞記事データベース「ヨミダス歴史館」上で、両者の登場回数を比較しておきます。
1995年~2014年の20年間で
- 「伸びしろ」647回
- 「本田圭佑」968回
でした。年別のグラフがこちらです。
分析―近々逆転の予感
見ると「本田圭佑」は2010年(277回)・2014年(253回)と、FIFAワールドカップの開催年に突出しています。
一方で、「伸びしろ」は着実に伸びています。
8月までの2015年実績は、
- 伸びしろ:84件
- 本田圭佑:37件
でした。「伸びしろ」は月10件=3日に1回のペースにまで伸びてきています。
伸びしろですね~
本田圭佑の「伸びしろ」略史
本田圭佑選手の「伸びしろ」コメントが初めて新聞に載ったのは、2011年2月、アジアカップ優勝後の連載記事でした。
度重なるピンチを乗り越えてアジアの頂点に立った日本だが、逆に言えば、薄氷を踏む戦いでもあった。
本田圭(CSKAモスクワ)は「まだまだ伸びしろのあるチームと思う」と言う。
[加速ザックJ](下)優勝はスタートライン(連載)|読売新聞(2011/02/03付)
その後、
「日本の伸びしろは常にマックス」と本田。
[コーナーキック]日本6発連勝/サッカー・W杯アジア最終予選|読売新聞(2012/06/09付)
世界に誇れること見つかりました。課題の多さです。世界でいちばん課題多いと思います。その伸び代に(可能性を)感じているんです。まだまだ伸びるって。
NHK総合「プロフェッショナル 仕事の流儀 W杯直前スペシャル」(2014/06/02 OA)
などありーので、
じゅんいちダビッドソンのミラノで伸びシロ見つけました!|ktv.jp(2015/05/17深夜OA)より
R-1ぐらんぷり2015の栄冠につながっているわけです。
次回予告:日本「伸びしろ」史のキーパーソンとは?
結論だけ書くと、日本語の「伸びしろ」史を語るうえで外せない最重要人物とは、岡田武史さんです。
本田圭佑選手の「伸びしろ」も、言ってみればサッカー日本代表チームの監督を二度務められた岡田さんの薫陶を受けた結果にほかなりません。
つづく
(2016/03/01 追記)続編書きました。あわせてどうぞ。
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