こんにちは。名前を研究しています。
初めて聞いたとき「へーそういう名前なんだ」と思ったのに、時間が経って「あれ何て言ったっけ?」をくり返しているのがイヤになったので、自分の記憶の定着のために書いておきます。
知っているとかっこいい?入れ物の名前の話です。
photozou.jpより ※写真と本文は関係ありません
要約:Executive Summary
入れ物の名前を知っていると、ちょっとかっこいいです。
「かっこいい入れ物の名前」の自選トップ3は次のとおりです。
- クレート
- スキットル
- カノポス
口に出して言いたいです。
入れ物の中身は
それぞれに何を入れるかというと、
- クレート:犬・猫
- スキットル:蒸留酒(ウィスキーなど)
- カノポス:人の内臓
です。
以下、ランキング形式で紹介します。
知っているとかっこいい「入れ物の名前」トップ3
3位からカウントダウンしていきます。
第3位:クレート(英:crate)
犬や猫を運ぶためのこれです。
リッチェル リッチェル キャンピングキャリー ダブルドアS ブラウン(amazon.co.jp)
クレート(crate)は、もとはこっち
「品物を運ぶための木の容器(a large wooden container for transporting goods)」(OALD)だったのが、犬猫用のそれの意味でも使われるようになったみたいです。
クレートのGoogle検索結果:約447,000件
第2位:スキットル(skittle)(英:flask)
蒸留酒を入れます。こういうやつです。
DUG(ダグ) スキットル 4oz DG-0601(amazon.co.jp)
スキットルという名前の由来は、ボウリングの元となったスキットル(Skittles)というイギリスの遊びで使われる木柱にその形状が似ているためだといわれる。
Wikipedia「スキットル」
スキットルのGoogle検索結果:約320,000件
和製英語なので注意
ただし他の2者と違い「スキットル」は和製英語なので、日本語でしか通じません。
英語で言うときは、flask(フラスコ)です。
とはいえ「フラスコ」はもちろん「フラスク」でもまだ理科室のアレになってしまうので、私は「スキットル」の方が好きです。
第1位:カノポス(英:canopic jar/chest/vase)
死んだ人の内臓を入れます。
古代エジプトにおいてミイラを作る際、魂が宿るとされていた心臓を除き、特に重要と考えられていた臓器を取り出し、保存するために使われていたと考えられている。
Wikipedia「カノプス壺」より
from File: Egyptian – A Complete Set of Canopic Jars – Walters 41171, 41172, 41173, 41174
入れ物もまた、人や神様の形をしています。
同じくWikipedia「カノプス壺」によれば、カノポスの町で壺の形で崇拝されていたオシリス神の像の形に似ているところから、19世紀にそう呼ばれるようになった由。
カノポスのGoogle検索結果:約13,000件
カノポス周辺情報
その他もろもろです。
プよりもポ
カノプス壺(カノプスつぼ、canopic jar)は、ヒト形の臓器収蔵器。 カノポス壺やカノープス壺、カノポス容器などの表記もあるが、一般的には「カノプス壺」でそのまま呼ばれる。
と、Wikipediaは「カノプス」を採用していますが、「カノポス」がいちばんかっこいいです。声に出して言いたいカノポス。
あの人のカノポスも来日?(2011)
あの歴史上の有名人のカノポスも来日していた模様です。
大阪税関は、12月27日(火)、来年開催される「ツタンカーメン展~黄金の秘宝と少年王の真実~」にて展示される物品の通関検査を行った。対象物品はツタンカーメンの黄金のカノポスやエジプト王としてのツタンカーメン像など122点。
大阪税関の動き(2011年)|customs.go.jpより
ただ、英語で「tutankhamun canopic jar」を検索すると黄金のカノポスはさほど出てきません。
だいたいこういうカノポスです。
Tutankhamun’s canopic chest and lids in the form of human heads|touregypt.net
なので「黄金」は疑っています。
余話:不適切な?カノポス
ルーブル美術館にもカノポスの収蔵品がありました。
louvre.fr > カノポス壺
のですが、
これらは不適切にも、内臓を収納したエジプトの壺と比較され「カノポス」と呼ばれた。
だそうです。
というのもこの壺は、死者の遺灰を収納することが目的であるからだ。
こちらに入れるのは内臓ではなく、遺灰だからとの主張です。
なのに作品データは、不適切にも?「カノポス壺(canopic vase)」です。
キャノピー(canopy)は別語源のようだ
飛行機の操縦席をおおう「ふた」の部分を「キャノピー(canopy)」といいます。
キャノピーを掃除するキャプテン from commons.wikimedia.org
同じ語源なのかなと思って辞書を確認すると、こちらは「蚊よけの網」を意味するラテン語に由来するようです。(Merriam-Webster: canopy)
カノポスとは直接関係なさそうです。
まとめ
以上、クレート/スキットル/カノポスの紹介でした。
知らない人相手にしばしの優越感を味わおうと、これらを口に出す機会をひそかに狙っています。
あるいはもっとかっこいい「入れ物の名前」をご存じならお知らせください。手柄は全部自分のものにします。
そんな器の小さな人間です。
おわり
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