料理記者歴40年のヤシロ朝子(ウソ)です。
今日は「説」を持ってまいりました。
要約:Executive Summary
NHKの番組を見ていると、たびたび
「これ、前にフジテレビでやってたあれじゃん」
と思うことがあります。他のどの局の組み合わせでも、これほど頻繁に思うことはありません。
昨日(6/6)、ここに新たな実例がひとつ加わったと知りました。連続テレビ小説「まれ」です。
そこでこの機会にあらためて唱える説とは、こちらです。
終了したフジテレビのバラエティ、NHKが引き取る説
説の検証
該当する実例を挙げ、後に反例の検討を行います。
朝ドラの「料理の巨人」
NHKの朝ドラ(連続テレビ小説)「まれ」の劇中で、ヒロインらが「料理の巨人」というテレビ番組に出ていたことを知りました。
※画像は、あらすじ・第10週「逆転一発パンケーキ」6月1日(月)~6月6日(土)|NHK連続テレビ小説「まれ」より
フジのあれ
これは言うまでもなく、あれです。
フジテレビで放送されていた「料理の鉄人」(1993-1999ほか)です。あれのパロディです。
NHKの”引き継ぎ先”に宿る、フジの「遺伝子」
私の記憶が確かならば、このような例は決してまれではありません。
「まれ」の例にとどまらず、「終了したフジテレビのバラエティ番組をNHKが引き取る」というパターンはいくつもあります。
どれも「完全一致」ではなく子細に見れば相違点も多々ありますが、トータルで「フジのあれ」の印象を受けるという話です。
NHKの「これ」 ← フジの「あれ」 5組
私の記憶が確かならば、
- これ(NHKのテレビ番組) ← あれ(終了したフジのバラエティ)
パターンの実例としては、次の5組があります。
まず、「これ」の側だけリストにします。
- LIFE!~人生に捧げるコント(BSプレミアム/総合・2012-)
- 松本人志のコントMHK(終了)(総合・2010, 2011)
- 超絶 凄ワザ!(総合・2013, 2014-)
- ワラッチャオ!(BSプレミアム・2013-)
- 亀田音楽専門学校(シーズン2終了)(Eテレ・2013, 2014)
以下、フジテレビの「あれ」も加えて記述します。
LIFE!~人生に捧げるコント(BSプレミアム/総合・2012-)
ことコントに限れば、内村光良さんは今やすっかり「NHKなんで」の人です。
※放送内容 > 2014.12.30 OAより
フジのあれ
内村さんのコント番組といえば、元はフジテレビのこちらでしょう。
- 「笑う犬」シリーズ(1998-2010)
- 「ウッチャンナンチャンのやるならやらねば」(1990-1993)
どんだけー、な復活
さらにこんなニュースが。
伝説の大人気キャラクター“マモー・ミモー”が復活し、「宇宙人総理」シリーズに登場!
※次回放送内容より。放送後、6月11日放送にアーカイブされると思われます。
どんだけーです。
松本人志のコントMHK(終了)(総合・2010, 2011)
フジのあれ
- 「松ごっつ」(1998)
- 「ダウンタウンのごっつええ感じ」(1991-1997)
THE VERY BEST ON AIR of ダウンタウンのごっつええ感じ 1996 [DVD]
ひとこと
「LIFE!」「MHK」ともに、言わばかつてフジテレビで人気を博したバラエティのキーマンを「ヘッドハンティング」したようなコント番組です。
わずか2例からの雑な帰納法ですが、もはや民放局には、作り込んだコント番組を制作する体力が残っていないのかしらんと危惧されます。
超絶 凄ワザ!(総合・2013, 2014-)
高い水準を誇る日本のものづくり。その技術力の極限は、どこまで高めることができるのか?
不可能を可能にする技術者の「凄ワザ」が世界を変える!
※番組サイトより
フジのあれ
ほぼ「ほこ×たて」(2011-2013)です。
ひとこと
「これ」の側は「競う」という形式ですが、特定のテーマで2組が出演するところがそっくりです。
司会の千原ジュニアさんは、別の番組(新春TV放談・2014/01/02 OA)で、「ほこ×ほこ」ですと言われていました。
時期的に見ても、「超絶 凄ワザ!」はまるで打ち切りとなった「ほこ×たて」からバトンを受けたかのように始まっています。
ワラッチャオ!(BSプレミアム・2013-)
フジのあれ
ウゴウゴルーガ(1992-1994)
ひとこと
他と比べると一致度はさほど高くないかもしれません。コーナーを短く区切る構成にしても、「子供番組」の主要視聴者の特性による必然的帰結でしょう。
けれどもふわっとした印象論で言うと、当時「ウゴウゴルーガ」がガラッと変えた子供番組の流れを着実に引き継いで、そこに乗っかっての作りに見えます。適当です。
ポップな造形のキャラクターにも、共通するテイストを感じます。
「ワラッチャオ!」を初めて見たとき最も衝撃を受けたのは、お姉さん(初代・桑子真帆アナウンサー)をボケに置いている点でした。
驚きのあまりこんなツイートをしたほどです。
昨日BSプレミアムで遭遇した「ワラッチャオ!」。私にとって面白さの大半はお姉さんの完成度の低さでした。そこを先鋭化させて「(子供向け番組だけど)子供出さなくてもよくね?」との仮説にたどり着きました。今後の動向に要注目です。
— ヤシロタケツグ (@yashiro_with_t) 2013, 3月 25
新たな時代を感じました。
お姉さんのお部屋より、「桑子お姉さんからみなさんへ」
桑子さんがこの春「ブラタモリ」などへ異動してきたのも、局の中期育成プランどおりに見えます。
亀田音楽専門学校(シーズン2終了)(Eテレ・2013, 2014)
フジのあれ
音楽の正体(1993-1994)
ひとこと
音楽理論を実例を加えながら、という点で共通しています。思い出す方も多いようで、「亀田―」を検索すると関連キーワードでサジェストされました。
なるべく難解な用語を使わずに、いかにわかりやすく見せ伝えるかという工夫に、制作陣のノウハウの蓄積を感じる番組でした。
《行くぜっ!怪盗少女》を代表例に、サビ前に半音下がる転調をするJ-POPの新傾向の解説など、よく印象に残っています。
以上の5品です。
どれも大変おいしゅうございました。
反例の検討
ここで唱えている説は、フジテレビの終了したバラエティ番組について、NHKよりも他の民放局が引き取っている事例が多ければ否定できます。
バイアスがかかって自分では否定側の実例が思い当たりませんでしたので、何か情報をお持ちであれば、ご提示いただければ幸いです。
検証結果【暫定】
「料理の巨人」のほかに、終了したフジテレビのバラエティをNHKが引き取っている例が、少なくとも5組あった。
NHK以外の局が引き取った、反例待ち。
いったんお返しします。時間がないのでお早めにお願いします。
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