こんにちは。なりすまし東大生です。
気まぐれで学歴詐称から入りました。
※写真と本文は関係ありません
サンプル盤みたいな本
本屋さんでこちらに目が留まって、読みました。収録されている文章はほとんど既読なのですが。
各著書のさわりを集めた「ベスト盤」かなと思っていたら、読んでみると「サンプル盤」でした。iTunes Storeで「池田晶子」検索して30秒ずつプレビューした、みたいな感じ。
既にアマゾンに似たようなレビューが付いていましたが、ダメとは言わないけど、うーんです。こんなもんじゃないんだけどなあと。
そこで、気がつけば30冊読んでいた東大生(ウソ)からおすすめを3点選出することにしました。「東大生」は詐称ですが、「30冊読んだ」は本当です。
池田晶子のおすすめ3冊
次の3冊がいいです。
- 入門用なら 『14歳の君へ』(2006)または『残酷人生論』(1998, 2010)
- ベストバウト 『死と生きる―獄中哲学対話』(1999)
- 逆にすごい 『リマーク 1997-2007』(2001, 2007)
のべで4冊ですね。3冊もウソでした。
入門用
最初の1冊なら『14歳の君へ』がいいです。
『14歳からの哲学』よりもこれ!の理由
池田の代表的な著作としてよく名前があがるのは『14歳からの哲学』です。実際、ちょっとした本屋さんに行くとたいてい置かれています。
けれども私にとって、『14歳からの―』はレギュラーではなく「控え」です。「14歳向け」というオーダーを意識しすぎたかして、文章が全体に固く、探り探りやっている感じがするためです。
出版に至る経緯の違いなどもありますが、あとに出た本書の方が、スタイルをつかめているというか、よりリラックスして書けている印象があります。
実際、池田自身も、本書のあとがきに
内容的には、両者にあまり変わりはありませんが、前著には(読ませる方としても)ちょっと歯が立たないなと思われる方は、本書の方がおすすめでしょう。
と綴っています。
こうしてみると、「2番煎じ」にも効用はあるものです。
いろいろ読み慣れている人なら、「14歳」にこだわらず、『残酷人生論』の方がより好適かと思います。
マッチョな池田が堪能できます。私の読んだのは再刊される前の版でした。編集に異同があるかもしれません。
ベストバウト
次はいちばん振りきっているところからです。
陸田真志との往復書簡です。
「真剣勝負」と書いてしまうと陳腐ですが、文字どおり真剣で斬り合っているような、ここまで緊張感みなぎる本は、なかなかないです。並みの「獄中もの」のつもりで読むと、ケガしますよ。
なお池田の死の翌年、2008年6月17日に陸田の死刑が執行されています。2度と再現されえない、世紀のベストバウトです。
逆にふりきれている
別の方向へ振り切れている1冊が『リマーク』です。
帯の背には「謎の思索日記」とあります。「1997-2007」版は、2000年代分が増補されています。
断章のような、詩のような、いろんな意味で「よく出せたな」という本です。
まとめ
池田の著書世界の「池田スフィア」から、極まった3点を選びました。
あとの本はだいたいがこれら「極点」3つの中に収まっていると言えます。残りの本については、「力の抜けた」というと語弊もありますが、上のどれかが気に入ったら後々手にとってめいめい楽しんでいけばよいかと思います。
意味なくなりすましたニセ東大生からは以上です。
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