リメイクで「指」増える問題（１）：妖怪人間ベム・ハクション大魔王

こんにちは。

「リメイクで指増える問題」を考えます。

この記事で言いたいこと

世の中には、リメイクされると指が増える、いわゆる「リメイクで指増える問題」があります。

テレビアニメの「妖怪人間ベム」も「ハクション大魔王」も、後年リメイクされた版では主人公たちの指が当初のオリジナル放映時よりも増えています。

いらないです。

それぞれの版を見て、リメイクで指が増えていることを確認していきます。

「早く人間になりたい」でおなじみ、妖怪人間ベム・ベラ・ベロの手の指は、それぞれ3本です。

不足でしたらバンダイチャンネルで第1話が無料公開されていたので、そちらで個別に確認してください。

※妖怪人間ベム（mxtv.co.jp）より

妖怪姿ではオリジナル同様の3本指ですが、人間に近い姿になると、指が5本に増えています。

ベラの部分がわかりやすく対比できるのでアップにしておきます。

リメイクされて指が増えています。

ハクション大魔王も、リメイクで指が増えています。

オープニングの主題歌映像からです。第1話がYouTubeに公開されていましたので、そこからキャプチャしました。

オリジナル版では、大魔王の手の指は4本です。

娘のアクビちゃんも同じです。オリジナル放映時エンディングの《アクビ娘のうた》の映像からです。

後ろ姿ですが、指が4本なのが確認できます。

ハクション大魔王は、放映から45年を経た今もなお、企業のイメージキャラクターに採用されています。

たとえばこちらは、アレルギー薬「アレグラ」を製造するサノフィ株式会社の製品情報サイトにある動画です。

※季節はずれの花粉症の話｜ハクション大魔王のアレルギー性疾患啓発アニメ（e-mr.sanofi.co.jp）（2014/10）より

大魔王もアクビ娘も、指が5本に増えています。

こちらは、娘アクビを主人公にリメイクされたアニメ「アクビガール」（2006）のものです。

これも5本指です。

リメイクのときに、わざわざ指を増やさなくていいです。

いらない。

「人間並み」に描いておきたい気持ちもわかります。5本未満という、指の「足りない」キャラクターを描くことは、障害者差別や部落差別につながる問題ともなりうるため、トラブルを生むリスクを回避する心理も働くのでしょう。

それでも一義的に両アニメの主人公たちは人間ではないのですから、造形上の「仕様」が人間と違っていて何ら不思議ではありません。

むしろ問題なのは、フィクションを人間の実社会へ安易にフィードバックさせる心性ではないでしょうか。

われわれのようでわれわれでない者がわれわれっぽいのは、非常につまらないです。外面だけに限らず。

もうひとつ別の例でも考えます。

つづく