こんにちは。
不眠と無縁な僕が、不眠症の嫁との結婚治験生活で得た雑な知見をまとめます。
結論
不眠を抜本的に解消するには、こうすればいいと思います。
- 「眠る」以上に優先する行動を持たない
- 「眠れた」の基準を高く持たない
以下、順に説明していきます。
背景の説明
はじめに、長い長い背景事情の説明からです。
不眠症の嫁
語尾をどう書けばいいか迷いますが、僕の嫁は不眠症です/でした。
「です」と書きにくいのは現在嫁と別居中のため、「でした」とも書きにくいのは今も嫁の不眠が治っているとは思えないためです。余計な話でした。
「合法ジャンキー」の嫁
厄介なことに、嫁には薬がまったく効きません。
以下、全て嫁情報ですが、嫁によれば、錯乱を起こして街中で暴れていた人が救急搬送される際に注射される鎮静薬程度では、嫁にはなんの効果もないそうです。
そんな嫁なので、薬漬けです。
持病のぜんそくの分も含め、最大で25種類飲んでいたことがあります。中には大麻が合法のアメリカの州で使用が禁じられている薬も入っています。また、国内で処方できる最強の睡眠薬も出ているらしいのです。
それでも嫁は不眠でした。
僕は薬物使用に対する差別意識があるので、そんな嫁を「合法ジャンキー」と呼んでいました。
原因は「強すぎるメンタル」説
僕が思うに、嫁はメンタルが強すぎるのだと思います。身体よりも薬よりも、メンタルの作用がずっと上回っているのです。
不眠と無縁な夫
一方、僕はこれまで、不眠というものを自覚したことがありません。俗に言う「枕が変わると眠れない」という経験も、ほとんど記憶にないです。ただし「いつでもどこでも眠れる」とは違います。電車内だとか人のいるところでは基本的に寝ません。
そういうわけで、眠くなったら薬も飲まず横になってすぐに寝るので、不眠症の嫁からは「腹立つ」とまで言われたことがあります。
不眠症だけど寝ている嫁
しかし嫁との生活を顧みると、不眠症である嫁が全然寝ていないかというと、そんなことはありません。寝ています。
自分が寝ているときは知りませんが、昼もよく寝ています。もしトータルの睡眠時間を計ってみたら、僕よりも長く寝ているのではないかと思うぐらいです。
また、嫁は少し変わった睡眠サイクルを持っていて、だいたい月1回のペースで食事とトイレ以外はずっと寝ている時期がやってきます。その期間は短くても2日、長いと4~5日に及ぶこともあります。嫁のこのサイクルは結婚4年目ごろから現れ、現在も続いています(たぶん)。
他にあまり聞かない事例なので一時は批判的に言ったこともありましたが、やめました。《ありのままで》じゃないですが、それでいいよと。
僕からすれば、嫁のどこが不眠なのか、よくわからなかったです。
不眠症患者の考え方
「不眠症だから」と不眠症を自称する嫁とこんな会話をしたことがあります。
「いや、あなた寝てますよ」
「眠りたいのに眠れない」
「え?」
不眠症の人は、「眠りたいのに眠れない」という考え方をしていることを知りました。
新鮮でした。
それは、僕の考え方と大きく違っていました。
不眠知らずの考え方
なので、嫁にはこう言ったように記憶しています。
――じゃあ寝なくていいじゃん。
――あのね、眠るっていうのは、「眠りたいとき」ではなくて、「眠いとき」にすることですよ。
考察:「眠りたいときに眠れない」とは?
不眠症の嫁はなぜ、「眠りたいのに眠れない」という考え方をしていたのでしょうか。そこを考えてみました。
ものすごく雑に言ってしまうと、「眠りたい」が存在するのは、その裏側に「眠いのに眠れない」という時間帯なり状況なりがあるためです。そこで眠くなってしまうといろいろ困るからです。
ではなぜ、ある人の生活の中で「眠いのに眠れない」という状況が存在しうるのでしょうか?
そこで、その人にとって「眠る」より大事な何かがあるからです。いちばん簡単な例を挙げると、仕事です。
真の問題は、そこにあります。
問題の正しい記述
ですから不眠の問題とは、「眠りたいのに眠れない」ではないのです。
不眠の真の問題とは
- 「眠りたい」が発生すること
- その原因として「眠いのに眠れない」が存在していること
です。これが不眠の正しい問題の記述であり、不眠に対して本当に手を打つべきところです。
考え方1:「眠る」以上に優先する行動を持たない
ですから不眠を解消するには、一義的には「眠る」より大事な何かをなくしてしまうこと、なくせないにしても、他の何かが「眠る」に与える影響を最小限に抑えればいいことになります。
最強のフリー睡眠生活
今の僕には「眠る」より大事な何かがほぼ皆無です。思い当たりません。
優先されがちな「仕事」も、その座には就けません。
僕は2つの会社に勤めた経験がありますが、1年半ほど前に辞めて以来会社とは無縁の生活が続いています。
今の仕事(と呼べるならば)も「眠いのに眠れない」状態でする形態ではないです。
よって、現在ほぼ敵なしです。
眠くないときは?
「眠る」とは眠くなってはじめてすることですから、眠くなければ眠らなければいいです。それで何も問題ありません。
考え方2:「眠れた」の基準を高く持たない
こちらも、嫁との結婚治験生活から得られた知見です。
嫁の癇にさわったらしい、無思慮な発言
別のあるとき、「眠りたいのに眠れない」という嫁に「眠れなければ、目をつぶって横になってじっとしてれば?」「それだけでも休めるし」と言ったこともあります。
しかし嫁には全く響いていませんでした。逆に怒らせていたぐらいの、思慮に欠ける発言に聞こえていたようです。
そんな経験から、不眠症の人にとっては「眠れた」という評価基準が、僕からすればものすごく高い水準にあることを知りました。
辞書で不眠症って引いてみた
手持ちの電子辞書で「不眠症」って引いてみました。広辞苑の語釈からです。
安眠のできない夜が慢性的に続く状態。(後略)
なんだか、不自由な考え方をしています。
僕からすればすごく基準が高いです。
広辞苑によれば、眠るのは「夜」で、しかも「安眠」=安らかな眠りでないといけないようです。
そうでないと「不眠」だそうです。
不眠フリーな考え方
不眠と無縁の僕がどういう考え方をしているか、再確認してみました。
僕には自分の眠りが「安眠」かどうかを考える習慣はありません。
むろん、日によっては寝た気がしないとか、疲れが取れた気がしないとかいうのはあります。それもこれも含めて、寝たら「寝た」です。
「安眠」という、単なる「睡眠」よりも高い水準を考えたことはないです。しようと思ったこともほとんどありません。
そして「夜」に眠れなければ、起きていればいいだけです。実際起きています。わざわざ眠る時間帯をより好みしなくていいと思っています。
カギは「眠る」基準の低さ、かも
また、僕が「眠る」に優先する何かが存在して「眠りたいのに眠れない」ときは、
- 目をつぶる
- 横になる
- 一瞬でも意識が消え、夢うつつの状態となる
まで達すれば、「眠れた」とOKにしていました。
もし同じ状況下で3.までいかなければ、それ以前の2.1.の段階だけでも、まあよしとしていました。
不眠症の嫁と、「実際あなた寝てますって」「いや寝てない」というかみ合わない会話をさんざんくり返して、今ようやくわかったのは、「眠れた」の基準が、僕と嫁とではぜんぜん違っていたということです。
どうも不眠症の人にとっては、僕の「眠れた」の判定基準が、著しく低いものに見えるらしいのです。
確かにそうです。眠れないとき「眠る」の基準を下げています。検討して発見しました。
でもそれでいいじゃん。実際眠れてるもん。
そんな高い基準を持ってて、何かいいことあるのでしょうか?
まとめ
まとめます。
この2つの考え方を、「~~しない」ではなく、「こうする」という肯定的な記述で書き換えておきます。
- 「眠る」の優先順位を最高クラスに置く
- 低い基準で「眠れた」ことにする
不眠に悩む人は、以上の考え方を指針として取り入れてみてはどうでしょうか。
SAS(睡眠時無呼吸症候群)、あるいは『眠れない一族』に登場する、脳の病気であるFFI(致死性家族性不眠症)など、いくつか例外を考慮する必要はあるでしょうけれども、ほとんどの不眠に適用できるかと思います。
夜も更けてまいりましたが、僕はさほど眠くないので引きつづき起きています。
こちらからは以上です。
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