こんばんは。林修ナイトの時間です。
林修さんが「落ちこぼれのヤンキー」たちに特別授業を行った「あすなろラボ」(6月9日OA)に大変反響があったらしく、続く16日も「熱血 未公開部分全部見せます!」と題して授業のもようが放送されました。こちらも研究のベースラインとするために、録画から授業内容をテキストにしました。
基本情報
テレビシャカイ実験あすなろラボ(フジテレビ系 2013/06/16 21:00-21:54 OA)
番組内容(地デジ番組表データより)
【林先生の未公開授業SP!】
大反響!!林先生VS落ちこぼれヤンキーの未公開授業を一挙放送!まだまだあった“心に響く言葉”の数々&商店街で何年も売れ残っている服は原宿で売れるのか?
16日の放送は、次の1.~3.が組み合わされていました。
- 再利用:9日放送分で見た素材
- 別編集:9日分と同じ内容だが、話のつながりが若干違う素材
- 未公開部分:初めて見る素材
テキスト内には、新しい「3.」と、既出の「1.」「2.」がわかるように補足を入れておきます。
林修さんの特別授業ふたたび
アバンタイトル
先週、東進ハイスクールの林先生が、高校中退や中卒の勉強嫌いの若者に特別授業を行ったところ
「文章がわかるかわからないかっていうのは、どこまで向き合ってその人を受け止めようとてあげるかどうか」
「社会において必要なアタマ、能力はこの2つに尽きる。解決と創造」
「負けるヤツって意外と共通なんですよ。敗因は3つだなと。情報なんだよ。情報がきちっとしてれば、この戦いをやったら負けるとかね。あと2つは、オレはできるよっていう慢心。これでいいはずだっていう思い込み」
「君ら仲間大事でしょ? 仲間だよ、本の作者って。こいつとは友達だわと思う作者いるもん。読めることでそういうものが自分のものになる。しやすい」
視聴者の方々から大反響。しかし、まだまだ放送しきれなかった先生の熱いメッセージが。そこで
林先生は高校中退や中卒の若者をやる気にさせることはできるのか? 熱血未公開部分全部見せます!
授業一週間前
ナレーション)勉強をやる気がない者たちをやる気にさせるという、林先生はなぜこんな難しい授業を引き受けたのか?
「まぁずーっと予備校でやってきて、そもそも予備校に来る子だけを相手にしてきたわけですよ。だから、僕が見てる世界っていうのは、実に小さな窓から世の中を見てて、そこから見える子たちだけを相手にしてたんですけども、そこから見えない子たち、その窓には絶対に姿を現さない子たちがいることはほとんどわかってたんで。最初からこの窓を叩こうとしない子たちに、自分の言葉がどこまで通じるか。もしかしたら、ああ予備校の先生てのはこういうことを言うんだ、っていってこっちの窓を開けようとしてくれる若者が増えるかもしれないので」
「チャレンジしてみるね、意味は十分あるんではないかと」
授業開始
ナレーション)こうして始まった特別授業の中で、林先生は人生で勝つためにこんなことを教えていた。
「はいこんにちは」
入試1か月前 受験生に必ず言う話
「受験生にひと月前に必ずする話があるんですよ」
「あとひと月だね。別に君らががんばろうががんばるまいがオレには関係ないと。ただこれだけは言えるっていうことがある。ひと月前に必ず言うんだけど、このひと月がんばれるかがんばれないかが一生を決めるよ」
「どういうことかっていうと、(板書しながら)
- ひと月がんばった結果受かる人が出るよね。
○ → ○ - ひと月がんばった結果落ちる人が出るよね。
○ → × - ひと月がんばんなかったけど受かるヤツが出るよね。まだ受かっちゃった。
× → ○ - ひと月がんばんなくて落ちるヤツ、まこれはいちばん多いかな。
× → ×
この4つに、分かれる。たときに、そのひと月がんばれて受かったヤツ、あるいはがんばったけど落ちたヤツはいいんですよ。オレはひと月はがんばれたと。だけどそこまでの準備が足りなかったら落ちるからね。
問題はコレ(がんばんなかった方を指す)。受かったけど、なんか最後のひと月でオレはがんばれなかったな。まあまあ受かったけど、オレはひと月もがんばることができない人間なのかっていう思いで生きていかきゃいけない。そうなるかどうかは君らの自由だよって話を、ひと月前にするんですよ。
ひと月がんばれるっていうのは実はすごいことで、ひと月がんばれると、1年がんばれるね。1年がんばれる人は極端な話10年がんばれる。10年がんばれるって人はだいたい一生がんばれるんですよ」
ここから未公開部分
受験勉強で試されているモノ
「だからこの受験のひと月、受験勉強って、入試に受かった受かんないってそういうつまんないレベルの話に見えるかもしれないけど、けっこうそういう人間力試される場なんですよ」
人間力を試される経験を10代でする大切さ
「でこれを、10代のうちにやっておくことに意味があるんですよ。でそれは、勉強じゃなくてもいい。仕事なら仕事でもいいけど、やっぱり10代のうちにオレはひと月がんばれるぞっていう自信を持って生きていくかどうか」
#この言葉は9日でも放送されました
「なかなか自分でそういう目標を見つけるのは大変でしょう。もしそれが見つかってるならいいけど、そうじゃないとしたら受験勉強ってのに参加するっていうのは悪くはないんですよ。で君たちは、学校が面白くなかったって書いている人がたくさんいたけど、全部が面白いわけじゃないよね。そして高校を辞めちゃってる子がたくさんいる。でもその一方で高校をちゃんと最後までがんばって卒業証書をもらってる人がいる」
学校を卒業する「やり遂げること」の意味
「卒業証書は、ある意味では忍耐力の証明書。つまんないところであるかもしれないけど、やっぱりそんなに面白いことばっかりじゃないわけだ。君らまだ10何年しか生きてないから楽しいことたくさんあるかもしれないけどオレ47だよ。まあだいたい、面白いこと1つあるとつまんないこと3つ来るよ。ほんとにつまんないこといっぱいやってるけど、でも、我慢しているうちにいいこともあるしいいこと起きないときもある。でもそこで耐えた人に、とりあえず君はこれだけ耐えたねっていう証明にはなるのが卒業証書なんですよ」
「だからそれを君たちが、もう1回高校に戻ってやりたいって書いている人もいたけど、取りに行くかどうか。絶対にそんなに楽しくないかもしれないよ。でも、少なくともあの卒業証書には、いや楽しければそれはおめでとう。ね、高校時代楽しかったっていう生徒たくさん見てる。でもつまんなかったとしても、そういうもの(忍耐力)は確かに証明してくれる」
「だからまあ、学校全部最後まで行くことを辞めることの意味っていうのはそういうことなんで。単純にね、高校を辞めることが悪くて続けることがいいってことではないけど、続けた人にはそういう評価には、なる。あれは僕は忍耐力の証明書だと思う」
「問題を解く」なぜ学校で勉強するのか
「あと、いろいろもっと、なかなか君らには二度と会うことはないだろうから、いろいろ伝えときたいんだけど。問題ばっか、こんな答えの決まった問題解いててどうって思うでしょ。でもねぇ、これからたくさんの問題解かなきゃいけないよこれから社会で」
「社会でぶつかる問題の面倒なところって、答えがないところでしょ。で正解だったのかなーこの道でよかったかなーっていろいろ考えなきゃいけないでしょ。問題自体はたくさん解かなきゃいけないんですよ社会に出てからも。答えのない、問題を、解く。その練習として答えのある問題を学校でやってるんですよ。答えのある問題をいろんな情報が与えられる。当たったり外れたりする。でもそれは答えがあるからね。ああ外れたなって、わかる。たしかに、直接学校では役に立たないと思うかもしれないけど、ひとつの問題に正面から取り組んでみるとなんでじゃあ自分は外れたのかな、何か情報の判断にミスがあったんじゃないか、もののとらえ方に間違いがあったんじゃないかと。現実の社会にいろんな問題が起きるこれ何日までにやんないといけない、さて問題です、っていって、一問一問解いてるんですよ」
「わからない」は悪いことじゃない
「でね、もうひとつ言っておくと、なんかわかんないからっていうけど、ここがね確かにわれわれ教えている人間が、ちょっと配慮が足りないなぁと思うんですよ」
「わかんないからって切り捨てちゃうわかんないと、わかんないものを抱えてくわかんない。わかんないこと楽しいって感覚ない?ない? わかんないって楽しいんだよ。1問の問題を頭ん中に入れてね、数学の問題とか3日ぐらい考えてて結局答え出なかったことある」
「オレは今でも、学生時代に読んだラカンっていうおっさんの本がほんとにわかんない」
ジャック・ラカン(1901年~1981年)/フランスの精神分析家にして哲学者
/* 参考 Wikipedia ジャック・ラカン|Jacques Lacan(英)| Jacques Lacan(仏) */
「悔しいから、読んでみるんだけどたまに引っ張り出して。だんだんわかるようになってるけど、やっぱわかんないんですよ。でもわかんない、っていう時間が楽しくて、こういうふうに、解決したり創造する頭を高めるためには、頭ん中にわかんないものをいっぱい持ってることが大事なんですよ」
わからないから「考える力」が鍛えられる
「なのに、なんでわかんないんだよとかって今まで言われたりしたことなかった? なんでこれできないんだ。それは、われわれ教えている方がほんとに申し訳なかった」
「だからわかんないからってバーンってやっちゃったらそれで終わりだから。そこはわかんないものを抱えて、わかんないな、答え出なくていいから。でもいろいろ考える。その考えることが、これ(解決・創造)のアップにつながっていくから」
「わかんない問題いっぱいあるよな。オレもあるよ振り返ってなんであの子オレのこと好きじゃなかったんだっていまだにわかんないことあるもん。絶対あの子はオレのこと好きだと思ってたんだけど、違ったらしいんだよ」
人間関係を数学(座標軸)で分析してみると…
「だから人間とか判断するときこういうことよくない? あいつはダメなヤツだ。実は嫌いな奴にダメって言ってるときってない? 女の子多いよね。あの人全然、ほんとひどい人だから。ほんとは嫌いなだけなのに。自分の嫌いな、ね、イヤな人のことをそういうふうに、ね、自分ではあの人ダメな人っていうふうに、自分をだましてる」
学校の勉強は意外と役に立つ
「あの直線が走ってた座標、それをこういうふうにものを考えるのに使える人もいるわけだ。役に立たないっちゃあ役に立たないけど、根本の考える道具になるものを実は学校っていっぱい教えてくれたとこなんですよ。だけどそういうふうに使えるよって教えてないから。ね、ましてや点数つけてすぐおらできたできないってやられちゃうから、君たちがイヤだって拒否してきたのわかるけど、上手に活用すると一生の中でけっこう役に立つんだよ。オレすぐこういうふうに考えてるよ」
#ここは9日にも放送されました
つづく。
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