こんにちは。出典マニアの調査報告です。
ひょんなきっかけで、謎が解けました。
ツイート検索での「有力情報」
「Kindle CM」でツイート検索した結果をつらつらと見ておりましたら、こんなツイートに目が留まりました。
KindleのCM、なんで『そして誰もいなくなった』なんだろうw
— Tax (@tutax_ex) 2014, 4月 15
僕は出典マニアなので、CMでKindleの画面に映っている本が何だろうなと気にはなっていました。
CM最後のところです。一部だけキャプチャしました。
※画像は、The all-new Kindle Paperwhite (Japan TV Commercial). You’ve got to read it to believe it.(2013/11/12)|YouTube より
『そして誰もいなくなった』だった
『そして誰もいなくなった』を、Amazonのなか見!検索で見てみると、その通りでした。
冒頭、書き出しの一段落目だけ、テキストにも写しておきます。
ウォーグレイヴ判事は、一等喫煙車の隅の席で葉巻をくゆらせていた。少し前に公職を退いた判事の目は、《タイムズ》紙の政治記事を追っている。
画面では見づらいですが、CMに映っているのは確かにこの文章です。
謎は解けた!
これで僕は、なぜこのCMが不快に作られているのか、その謎が解けました。
すべてこの『そして誰もいなくなった』への伏線なのです。
代表級の不快CM
ところでこのCM、「kindle CM」でツイート検索してみると、
- 嫌い・腹立つ
- うざい・ムカつく
- ドヤ顔・上から感がひどい
- 鼻につく・イラッとする
- 気持ち悪い・気分悪い
- 仲良く/友達になれる気がしない
とまあこんな評判です。
中には
でも「自分にとって読書って現実忘れられるんですよー」というKindleのテレビCMの青年も無言でひっぱたきたい。
— ブルボン小林 (@bonkoba) 2014, 4月 2
だとか、実行するつもりではないでしょうけれども、バイオレンスあふれる物騒なツイートも少なくありません。
これは、ある意味で制作側の狙いどおりです。CMを見る側にそう思わせないと「伏線」にならないからです。
CMとの符合
アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』(原著1939)は、こんな筋書きのミステリー小説です。Amazonでの「内容紹介」から。
その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が……そして無気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく! 強烈なサスペンスに彩られた最高傑作! 新訳決定版!
これが、CMの舞台設定と奇妙なまでに符合します。
- 六本木の国立新美術館に設けられた「孤島に招き寄せられたのは、」
- 「互いに面識もない、職業や年齢もさまざまな」「男女だった。」
- 「だが、招待主」アマゾン・ジャパン「の姿は島にはなく」
と、そんな状況です。
これ、すべて伏線ですよ。
つまり、あのうざい男女、これから「一人ずつ殺されてゆく」わけです。
そして誰もいなくなるのです。
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