これはひどい!教育現場の「日の丸偏向」ぶり

こんにちは。

ここ15~20年ばかり気になっているのは、世界に起こる現象・事象と、その記述・叙述のしかたのずれです。

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管見では、このずれが許容できないほど大きいものが偏向と呼ばれます。そんな日本の偏向を考えるシリーズです。

はじめに:この記事に書くこと

教育現場の「日の丸偏向」がひどすぎることです。

おさらい:子供の描く太陽が赤い件

前に描いた、国際比較「子供が描く太陽の色」(2014/04/16)のおさらいです。

子供の描く太陽は赤いです。

しかし実際、太陽は赤くないです。

そこで、「子供の絵 太陽」を各国語で画像検索して、英語、中国語、タイ語、アラビア語、ポルトガル語での結果をいくつか紹介しました。

2つ再掲します。

torange.bizrachelmollymarkofffoundation.org

各国語での画像検索結果からは、描かれる太陽は黄色が最も多く、次がオレンジ色です。

タイだけは日本と傾向が近かったですが、国際的標準として、太陽は黄色です。

以上をふまえて、新たな議論に入ります。

英語の「red sun」は朝日か夕日

英語で太陽を「赤い」というとき、それは地平線近くにある太陽のことのようです。すなわち、朝日または夕日を意味します。

こちらは、米国のコーパスCOCAで見つけた用例からです。※下線は引用者

The red sun hangs above the horizon like a beneficient Egyptian god(2006, MichiganQRev)

The big red sun was sinking into the wetlands around the large tidal pond.(2011, Bk:MysteryWriters)

数としては、沈みゆく太陽を描写する方が多かったです。しばしば、地平線・水平線を表す「horizon」ともセットになっていました。

有力な仮説:日の丸の影響

日本の子供が描く太陽が赤いのはなぜでしょうか。

恐らくは「日の丸」、すなわち日本国の国旗である日章旗の影響でしょう。

「日の丸」の色について

さて、日の丸の色を確認します。

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※画像は、Wikipedia

赤いです。

しかし朝夕を除けば、太陽は全然赤くありません。したがって、こういう日の丸でもいいはずです。

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目玉焼きの国旗|muuuuu.net(2008/12/21付)

ではなぜ、日章旗のなかで図案化されている太陽は赤いのでしょうか?

1)「朝日」説

Wikipedia情報ですが、日の丸の旗を読みますと諸説あるようです。ひとつは、「旭日旗」また「日出づる処」という言葉もあるように、朝日を図案化したものととらえる説です。

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旭日旗 ※Wikipedia

日章旗もまた「朝日」ととらえれば、旗の中の太陽が赤いのもうなずけます。

2)呪術性の「赤」説

他に、「赤」という色の持つ呪術性を込め、といった解釈も成り立ちそうです。

平安期に描かれた太陽は金色、らしい

平安期までは、旗に描かれる太陽は金色で描かれていた旨の記述があります。

『平家物語』などの記述などからも平安時代末期の頃までの「日輪」の表現は通常「赤地に金丸」であったと考えられている。

色彩感覚としては、その方が肯えます。

室町あたりからある「日の丸」

室町時代あたりから、ほぼ現在の日の丸の図案が使われていたようです。下の図は、少し下った17世紀の用例です。

2014-04-17_NagamasaArmy

山田長政の軍隊 in シャム(17世紀頃) ※Wikipedia より

参考

日の丸の色に関しては、こんな記事もありました。参考に挙げておきます。

赤の色調についての子細な議論でした。

日本の素直な子供たち

日本語での検索結果のなかにも、太陽を黄色・オレンジ色に描いているものはありました。保証の限りではありませんが、日本の子供の絵と思われます。

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素直な色使いです。朝日でも夕日でもない太陽を描くなら、ごく自然な色調です。

無意識への刷り込みの懸念

しかし前述のような歴史を経てきた結果、日本人には、

太陽=日の丸=赤

といった無意識の連想、刷り込みがされているのではないかと危惧しています。

これはひどい!「日の丸偏向」教育の実態

最初に紹介した「子供の描く太陽って…|笑い豚(2005/02/06付)」にひどい話が書いてありました。

区切って引用します。改行を適宜調整しています。※下線は引用者

1)父、幼稚園児のわが子に教育する

ウチの子供が幼稚園に通っている頃、赤い太陽が書いてあったので…
子供に「おひさまの色は何色かな~?」と聞くと…
「あか~」と答えたので…

「ほら、よく見てごらん太陽は白なんだよ~」
「みんなと同じように書かなくてもいいから見えた通り書いてみたら~」と言うと…
「ウンわかった~」と言っていました。

2)家庭教育の成果

半年後、幼稚園に行くと運動会の絵が飾ってありました、相変わらず赤い太陽がズラリと並ぶ中…
なんと!ウチの子供の絵には「黄色い太陽」が輝いていました

「パパ、太陽を白で書こうとおもったんだけど、うまくいかないから黄色で書いたよ」
いや~嬉しかったですネ~ヽ(^o^)ノ♪

3)小学校一年生になり

その子も小学生になり、初めての父兄参観日…
廊下には新一年生が描いた「春の遠足」の絵がズラーっと並んでいました。

ウチの子の絵はあるかな~?
と探していると、ありましたありました。

4)衝撃の結末

しかし、そこには…
まっ赤な太陽が書いてありました~(゜O゜;)!

ガビ~ン(ToT)
親って…

台無しです。教育現場の「日の丸偏向」がひどすぎます。

余話1:韓国の子供が描く「日の丸」

かと思えば、こんな画像もありました。孫引きとなりますが紹介しておきます(リンク切れなどあり元画像の出所が不明です)。

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※画像は、韓国ってほんとに反日?より

韓国の子供も、何を描けば周囲の大人にウケるか、よく知っているようです。

余話2:どうでもいい話

日の丸偏向教育は、左右どっちに傾いているのでしょう。日の丸だから右傾化のウヨクでしょうか。アカに偏っているから左傾化のサヨクでしょうか。

ほんとどうでもいい。

まとめ

  • 絵に描く太陽が赤いのは、世界的に見て、ほぼ日本の子供特有の現象です。
  • 昼間の太陽は赤くありません。黄色またはオレンジ色に描くのが順当です。
  • 日本の子供がどの太陽も赤く描くのは、日の丸の影響が大きいと考えられます。
  • 日本の教育現場では、赤くない太陽を赤く描くように子供を仕向ける「日の丸偏向教育」が行われています。深刻です。
  • 韓国の子供は、日の丸をディスればウケると思っているようです。

ご静聴ありがとうございました。

コメント

  1. ao より:

    はじめに、私は関東で小学校教師を目指している大学生です。
    教育現場は地域によって右左等の思想があるかも知れませんが、あくまで個人的な考えです。

    日の丸偏向教育についてですが、私の地域ではないように思います。
    どちらかというと、「太陽は赤いもの」という思い込みがあるのでは、と考えます。
    NHKの天気予報の晴れマークを見ると赤いですし、
    太陽が書かれている絵本を見ても赤く書かれているものがあります。(「きたかぜとたいよう」でも赤い太陽が出てくる絵本があります。)
    日の丸は太陽を図案化したものということも知っています。
    ですので、教師であるかに関わらず大人は「太陽は赤いもの」というイメージが強いのではないかと思います。

    また、子供は真似をしたがります。多くの友達が赤い太陽を書いていたら、自分も赤い太陽を書きたがることはよくあります。

    多くの教師は子供の為を思って教育に携わっています。
    教育の一場面や結果だけを見て、「最近の教育は駄目だ」等と思わないで頂きたいのです。
    疑問点があれば担任の先生に聞いて頂きたいです。
    納得できなければ、同じ学年や教科主任の先生、校長先生等に相談して頂いてもいいと思います。

    最後に、結局何が言いたいかというと、教育現場を擁護したかっただけです。
    教師だって人間です。サラリーマンや他の職業と同じように、完璧ではないのです。

    以上、長文失礼しました。

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