神7など笑止千万。小松和彦さんこそ、ある意味マジで神。

こんにちは。用件はタイトルのとおりです。

「いまどきの若いもんは」と言い出すと老境に入った証ですけれど、その路線で進めます。

神の話です。

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「神7」との遭遇

「神7」という言葉を初めて聞いたときは、神もずいぶんとカジュアルになったもんだと思いました。「かみセブン」と読みます。

■神7 神セブン 神なな | AKB48 用語辞典 より

「神の7人」の省略形。

2006年6月7日に発売された、AKB48の2作目の
シングル曲「スカート、ひらり」において、主力として、
7人のメンバーが選抜され、「スカひら7(セブン)」と
呼ばれていたことが、大元の起源である。

それに由来して、現在、特に、選抜総選挙の結果に
おいて、上位の7人を、「神7」「神の7人」と呼ぶ。

老人に言わせればそんなのは神でも何でもなく、素人に毛の生えた、陰毛も生えそろったばかりの小娘どもです。

これも神 あれも神

「神7」にとどまらず、いまどきの若い人のまわりは神だらけです。

たとえば、何かすごいことができるアプリは「神アプリ」ですし、マンガやアニメのお気に入りのエピソードや、いろんな意味で内容が素晴らしかったテレビ番組は「神回」です。

たぶん神 きっと神

老人が同じ使い方をするなら、松坂慶子さんがレオタード姿で踊るCMが神です。


《愛の水中花》(松坂慶子, 1979)

ある意味マジで神:小松和彦さん

そしてマジで神なのが、小松和彦さんです。

日本の「神」「異人」「妖怪」研究の第一人者で、国際日本文化研究センター(日文研)の所長を務められています(2014年3月現在)。

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専門分野 文化人類学、民俗学、口承文芸論
研究テーマ 東アジアにおける民俗宗教の比較研究
キーワード 民俗宗教、シャーマニズム、妖怪

日本で神を語るとき、この方に触れなければモグリです。

小松和彦さんの神仕事

2つ紹介します。

1)「異人殺しのフォークロア」(1984)―『異人論』(1985, 1995)所収

読んで打ちのめされた論考です。

異人を

民俗社会にとっての「他者」

民俗社会の外部に住みさまざまな機会を通じて定住民と接触する人びと

と定義し、28の「異人殺し」伝承を紹介して進める議論がエキサイティングすぎます。

なお単行本によると、初出は『現代思想』1984年11、12月号です。

2)「神になった日本人」(2008)

NHK教育テレビ「知るを楽しむ この人この世界」のシリーズでした。(2008/08/04~2008/09/29 全8回)

番組テキスト表紙の文句を引用します。

古来、日本人は実在した人物を、
死後、神へと祀り上げてきた。
崇徳院、秀吉、家康、西郷、
そして名もなき庶民たち――。
ひょっとしたら、あなたも、
「神」になれるのかもしれない……。

テーマが神すぎます。

本編のナレーターは緑魔子さんでした。その人選も神です。こんな神番組を作れるNHKも神です。

番組の内容は、こちらの著書がベースになったものと思われます。古本は出回っているようです。

まとめ

僕自身、いまどきの若い人のようなカジュアルな「神」の使い方はしません。しかし、この用法は決して嫌いではありません。若い世代が日本人のカミ観をしっかりと受け継いでいるようにも思えるからです。

またこの記事を書いて、自分の好きなもの、敬意を抱く対象を「神」と呼ぶことは、たいへん気持ちいいことがわかりました。

最後にもう一度強調しておきます。

小松和彦さんこそ、マジで神だからね。そこよろしく。

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