こんにちは。
中2って素晴らしい。ビバ中2! そんな話です。
最優秀賞「メロスの全力を検証」を知る
こんなWeb記事がツイートされてきました。
- 「走れメロス」は走っていなかった!? 中学生が「メロスの全力を検証」した結果が見事に徒歩|ねとらぼ(2014/02/06付)
※画像は同記事より
記事に張られていたリンクをたどり、元のレポート(PDF)を全部読みました。
素晴らしい研究発表でした。
関連リンク
- 「メロスの全力を検証」(PDF)
- 算数・数学の自由研究 – 審査結果発表(第1回,2013年度)|理数教育研究所(2014/01/23付)
※日付はトップページの「お知らせ」より
素晴らしい「最優秀賞」
作者は、中学2年生の村田一真さん。リンク先の情報によると「愛知教育大学附属岡崎中学校2年」です。
塩野直道記念 第1回「算数・数学の自由研究」作品コンクールの最優秀賞である「塩野直道賞」中学校の部を受賞した作品とのことです。
他の作品を見ずに言いますが、最優秀にふさわしい仕上がりです。
要約:数字で見る「メロスの全力」
前掲の「メロスの全力を検証」(PDF)をもとに、村田さんによる検証結果を要約して紹介します。
シラクスと村の往復について
往路:シラクス→村
- 距離:10里(約39km)
- 推定所要時間:10時間
- 平均移動速度:3.9km/h
復路(1):村→川 (中間地点)
- 距離:20km
- 推定所要時間:7.5時間
- 平均移動速度:2.7km/h
推定タイムロス
- 豪雨で橋が流された川:1h
- 峠で山賊と格闘:0.5h
- 峠を下りたところで疲労困憊:1h
復路(2):最後の力
- 推定距離:16km
- 推定所要時間:3時間
- 平均移動速度:5.3km/h
考察
今回調べてみて、メロスはまったく全力で走っていないことが分かった。
そして、メロスが復路の終りぐらいに最後の死力として、走ったけども、それはただの速歩きだったということがわかりました。
感想
「走れメロス」というタイトルは、「走れよメロス」のほうが合っているなと思いました。
ヤシロは激怒した(ウソ)
「永遠の厨二病」である初老の厨二男にとって、このレポート、称賛するだけではおさまらないやられた感があります。同時にわき起こるのは、中2にやられっぱなしでたまるかという対抗心です。
そこで、青空文庫にある太宰治『走れメロス』(1940)の原テキストとも読み比べ、査読することにしました。
結論に異議あり
村田さんの推論はどれも妥当に見えます。しかし《メロスはまったく全力で走っていない》とする結論に、あえて異議を唱えます。
反論のポイント
「メロスの全力を検証」には、「中央審査委員会」名でこんな講評(PDF)がついていました。※下線は引用者
同じような考察はこれまでも見られましたが,文学作品をグラフまで利用して分析しているのは初めてだと思います。主人公は全力で走っていたかどうかが客観的にわかります。
客観的にわかります。確かにそのとおりです。
では、「全力で走っていたかどうか」、主観的にはどうでしょうか? ポイントはそこです。
厨二の僕は、全力で走っていたと思うのです。
次の記事で、全力で反論します。
つづく。
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