こんにちは。
日本の外食産業は豊かです。でもGoogle の検索機能はもっとリッチです。そんな話です。
※写真と本文は関係ありません
なか卵?
お昼どきに、こんなツイートを見かけました。
なか卵の新しいタッチパネルが使いにくくて堪らない。。大体、行列ができてるし、間違いなく損してる。これ、テストしなかったのかな?
— 田中裕輔 | Yusuke Tanaka (@Yusuke_Tanaka) 2014, 2月 6
なんか外食の話みたいですけど、「なか卵」って初めて聞く名前です。さっそくGoogle で検索してみました。
知らなかった!「なか卵」チェーン
会社概要の「事業の目的」には、こうありました。
「丼ぶりとうどん」を主力メニューとした
ファストフード店、及びそのチェーン本部の経営
同じページによれば、チェーン全体の売上高は345億円(2012年3月期)。2013年3月末時点の店舗数は482店舗です。
店舗検索で探してみると、店舗のある都道府県は全部で37。九州・沖縄を除く全国に展開されています(九州では熊本・鹿児島のみ)。
けっこうな全国チェーンなんですね。全然知りませんでした。
参考:「なか卵」のない県(全10県)
ちなみに、「なか卵」の店舗がひとつもない県は次のとおりでした。(店舗検索結果による)
- 長野
- 和歌山
- 島根
- 徳島
- 福岡
- 佐賀
- 長崎
- 大分
- 宮崎
- 沖縄
ボケました。
って、もうええわ。
そうです。「なか卯」のことです。
職場が店舗に近かったときは、よく夕飯を食べに行ってました。親子丼が好きです。
そうです。僕が知らなかったのは、「なか卵」というボケ方があることです。
リンク集―「なか卵」の検索結果から
Google の検索結果上位から、2つリンクをします。
- (a)牛丼のチェーン店で「なかたまご」とゆうお店はありますか?(後略)|Yahoo!知恵袋(2008/09/26-27付)
- (b)一番旨い牛丼屋はなか卵だろ|丼(重禁止)@2ch掲示板(2005/07/21-)
この(a)(b)から、用例のパターンをいくつか拾っていきます。以下の(a)(b)はこれらを指します。
「なか卵」ボケの3パターン
見たところ、「なか卯」を「なか卵」とするボケには少なくとも3パターンあることがわかりました。
用例と一緒に述べます。
1)芯までマジボケ
- 「なか卯」を「なかたまご」と読む。
- 自分で書くのも「なか卵」。
(a)の質問内容です。
牛丼のチェーン店で「なかたまご」とゆうお店はありますか?
同僚の子が、「なかたまご」の親子丼がおいしいと言っていたのですが、あまり聞いたことがないお店の名前なので…。
質問者の言う「同僚の子」がこのパターンです。恐らくこの「同僚の子」は「なか卵」と書くでしょう。
2)プッチボケ ~ マジボケ のどれか
- 「なか卯」を「なかう」と読む。
- 自分で書くのは「なか卵」。
上で引用したツイートをされた方もこのパターンだったようです。
次の用例には舌を巻きました。(a)でのベストアンサーに対する「質問した人からのお礼」から。
皆さん、有難うございます。
「なか卵」でなかうとゆうんですね!
似ているので、わたしも間違えてしまいそうです。
お礼でボケるという、きわめて高度な芸です。ベストアンサーは後ほど紹介します。
3)確信犯的ボケ
- 「なか卯」を「なかう」と読む。
- 自分で書くのは、あえて「なか卵」。
2005年のものですが、(b)に
携帯厨は(変換が面倒なので)なか「卵」と書くことが多いみたいだ
とする書き込みがありました。
cf. ボケなしパターン
比較対照用に、ボケなしのパターンも書いておきます。
- 「なか卯」を「なかう」と読む。
- 自分で書くのも「なか卯」。
- 「卯」と「卵」は、別々の字。
(a)の「ベストアンサーに選ばれた回答」の抜粋です。
ただしくは、「なか卯」(なかう)ですよ。
卯=うさぎの「う」
卵=鳥の「たまご」
「、」のある無しで、「たまご」になったり「うさぎ」になったりしますので、気をつけてください。
マジメななあ。
余談:驚きの長寿スレ
驚いたことに、(b)の2005年付の2ちゃんねるのスレッド、まだ有効です。
本日(2014/02/06)現時点での書き込み数は349、最終書き込み日付は2014/01/26(日)です。余談でした。
ボケに乗らないGoogle―マジメか?
ところで、Google は全然ボケに乗ってくれません。
たとえば、小さいものだと「マックスブランク」、大きめだと「業界類」、こうボケ検索しても、全然乗ってくれません。マジなやつを返してきます。「次の検索結果を表示しています」というやつです。マジメか。
そのとき、元のボケはひとつ下の行に「元の検索キーワード:」として小さくリンクされています。「ボケに乗ってほしいならこっち」というわけですね。
時系列上でのしっかりした測定はできていませんが、年々、その傾向は顕著になっている気がします。「どんどん乗ってくれなくなった」というのがより正確な言い方です。
Google、「なか卵」ボケを完全無視
「なか卵」ボケに至っては、完全に無視です。検索結果に「元の検索キーワード:」すら出しません。
厳密には、Google のリアクションは恐ろしくスマート
いま「完全に無視」と書きましたが、この表現は事実を厳密に表せていません。
というのも、Google は「なか卵」の検索結果として、「なか卵」も「なか卯」も両方フラットに返してくるからです。両者をいったん同一視して、そのうえでランキングを付けている様子です。
「なか卵」と振られた場合の返し方としては、想定される様々なニーズをふまえた、バランスの取れたベストアンサーだと思います。
恐ろしく知的です。
まとめ
- 日本の外食産業は豊かです。
- 日本の間違いも豊かです。
- Google の検索結果もリッチです。
- ボケ検索に対するGoogle のリアクションは恐ろしく知的です。
- もはや人間どもは、Google に完全に置いていかれています。
コメント
「確信犯」を誤用している可能性が高いです。
「確信犯」を『それが犯罪だと分かっていながら行う』というような意味合いで使う人が多いですが、これ、間違いですから(笑)
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あはは