こんにちは。いや、コニャニャチハ。
用件はタイトルのとおりなのだ。
クリスマスにDVDが届いた
クリスマスにこちらのDVDが届きました。
最初から、毎日少しずつ見ています。楽しいです。
ロールモデルはバカボンのパパ
なぜこのDVDを注文したかというと、初老を迎え今一度これからの生き方を考えたときに、手本にするのはバカボンのパパだと思ったからです。
見習いたい理想的な生き方、カッコつけて言うと、ロールモデルというやつです。
「天才バカボン」大人の事情
DVDには、特典ブック『バカ本』が同梱されていました。全30ページの小冊子です。タモリさんのメッセージを筆頭に、いろんな人が文を寄せています。
その中に、面白いことが書いてありました。脚本を担当されていた雪室俊一さんのインタビューの「当時の苦労話」のくだりです。引用します。
一番困ったのはスポンサーに「バカボンのパパはどうやって生計をたてているのか?」と言われてしまったこと。(略)「働かないで生活してるというのはおかしい。設定上の職業ではなく、パパが働いてるシーンを映像で見せて欲しい」という要望だったんです。
どれだけ一般化できるかは不明ですけど、番組スポンサーって、こんなことも言うんですね。
スーツ着てネクタイしてサラリーマンというわけにもいかないし、しょうがないから植木屋さん、と(笑)。
そんな「大人の事情」だったとは。
そうだったのか! バカボンのパパ
僕個人の「天才バカボン」との最初の接点はテレビアニメでした。パパが植木屋さんであることにも、当時は特に違和感はありませんでした。
しかし後年になって他の赤塚不二夫の著書や、彼ならびに「天才バカボン」に関する情報と接するうちに、植木屋さんをやっているパパがどこか世界観と合わないなという感覚を、どことなくですが覚えるようになってはいました。
たとえば次のような記述も、テレビアニメで覚えたバカボンのパパ像とはうっすらと食い違ってきます。
Q バカボンのパパの職業はなんですか?
A あるときはサラリーマン、あるときはガードマン、またあるときは、夜鳴きそば屋。果たしてその実体は……。「パパ」であることがパパの仕事です。パパは、収入など野暮なことは気にしていません。
そうだったのか! バカボンのパパ
ですから『バカ本』で読んだ雪室さんの証言は、大変合点のいく話でした。
ある意味リアルバカボン
雪室さんはこうも述懐されています。同じく『バカ本』より。
現場の人間はそんなこと誰も考えていなかったから、そういう意見が出るということ自体想像していなかった。みんなギャグ漫画の世界観をそのまま受け入れていましたからね。
作品解釈として、雪室さんをはじめとする制作サイドの感覚の方を、僕も全面的に支持します。
今の自分の感覚で言えば、先述のようなことを言い出すスポンサーの人って、とんでもなくバカだなと思います。リアルバカボンです。
大人の天才バカボン
こちらも同じく雪室俊一さんのインタビューからです。
僕なんかはあきれちゃってだまってしまったけど、真面目な小田[健也]さんあたりは一生懸命考えてたね(笑)。
テレビアニメ「天才バカボン」の放送は1971~72年でした。おバカな注文をつけるスポンサーに、あきれてしまう制作スタッフ。もっともらしいが根拠のない講釈をすると、高度成長で表面化されていなかっただけで、当時も階層の分断はあったんだなと。
最初から見返しているDVDでも、1枚目でパパがクリーニング屋さんでアルバイトするシーンがありましたが、なるほどそういう背景もあるわけですね。
初老になって見直す「天才バカボン」に、ほかにもどんな発見があるか、楽しみです。
これでいいのだ。
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