こんにちは。用件はタイトルのとおりです。
確認したいことがあって、福知山線脱線事故(2005年)の事故調査報告書を読んでいたら、そのこととは別に意外なことを知りました。なので書いておきます。
「事故調査報告書」について
事故調査報告書は、平成19(2007)年6月22日付で、当時の航空・鉄道事故調査委員会がまとめたものです。
別図を含め、運輸安全委員会のサイトから全部を入手できます。
報告書本文の表紙タイトルはこうなっています。
RA2007-3-1
鉄道事故調査報告書(本文)
西日本旅客鉄道株式会社 福知山線塚口駅~尼崎駅間 列車脱線事故
「鉄道事故調査報告書(本文)(PDF)」 航空・鉄道事故調査委員会, 2007
以後本記事では、こちらを単に「調査報告書」とします。引用もすべてこの調査報告書からです。
復習:福知山線脱線事故の概略
調査報告書の記述を元に、事故の概略をおさらいしておきます。
2005年4月25日の午前9時18分ごろ、JR福知山線の塚口-尼崎間で、宝塚発同志社前行きの快速電車(7両編成)が脱線しました。
本事故による死亡者数は107名(乗客106名及び運転士)、負傷者数は562名 (1.1 鉄道事故の概要)
という大事故となりました。
死亡者の大半は即死
警察情報によると、死亡者107名のうち、医療機関への搬送後に死亡が確認されたのは乗客7名であり、ほとんどの死亡者は事故現場で死亡が確認された。 (2.3.3. 死亡者の状況)
といいますから、死亡者の大半が即死またはそれに近い状態だったことになります。
意外な死因:窒息
で、知って意外だったのは、この部分です。
胸部又は腹部の圧迫による窒息及び急性呼吸不全が19名(約18%)であった。(2.3.3.2 死亡原因)
死者107名のうち、19名の死亡原因が「窒息」だというのです。死者数の約18%を占めるということは、およそ6人に1人の計算です。意外でした。
上の引用部にも答えが書いてありますが、意外だったのは窒息のしかたです。つづけて引用します。(下線は引用者)
いずれも鼻、口等の気道が塞がれることによる窒息ではなく、乗客同士が重なり合い、下敷きになるなどして、胸部又は腹部に強い圧迫力がかかり、呼吸ができない状況で窒息したものであった。 (同)
僕はこれを読むまで、そんな種類の窒息のしかたがあるとは夢にも思いませんでしたので、驚きました。気道(=鼻・口から肺までのルート)が塞がれなくても、窒息することがあるんだと。
人は、気道を塞がれなくても窒息死します。
衝撃の新事実です。 ※当社比
疑問:呼吸できないほどの圧迫ってどれぐらい?
となると当然、次のような疑問が起こってくるわけです。
人は、どれぐらいの力で胸部または腹部を圧迫されると呼吸ができなくなるか?
です。先行研究があるか、ちょっと探したいです。めぼしい研究がないようならば、実験したいです。
本来確認したかったことがまとめられたら、着手したいですけど、できるかな。
実験するならどう実験すればいいかの計画も必要ですね。もちろん、安全に十分配慮しなければならないのは言うまでもありません。
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